春夏4度甲子園出場の伝統校
若きOB指揮官就任で再び甲子園へ
昨秋県大会で準優勝を果たし関東大会へ出場した白鷗大足利。4度の甲子園出場を誇る名門は若きOB指揮官のもと成長を続ける。
■昨秋は関東大会に出場
白鷗大足利は春1回・夏3回の甲子園出場実績を持つ。近年では、藤田慎二前監督がチームを指揮し2008年夏、2014年春に甲子園へ出場している。藤田前監督の白鷗大監督就任に伴い、2023年春からは教え子の直井秀太部長がチームのタクトを任された。昨夏大会は準々決勝に進出したが、作新学院に1対7で屈した。新チームの昨秋大会は準決勝で文星芸大附に6対0で完勝し関東大会出場権を得ると、決勝では再び作新学院と対戦し4対6で惜敗した。県準優勝で関東大会へ出場したチームは、中央学院(千葉)に2対10で敗れて選抜出場の道が絶たれた。再起を誓う選手たちは、夏の甲子園に照準を定めて、渡良瀬川河川敷グラウンドで努力を重ねる。
■伝統を継承して復活を期す
昨春から指揮を執る直井秀太監督は、藤田前監督の指導を受けた世代。現役時代の2013年にはキャプテンとして秋の関東大会で優勝して明治神宮大会へ出場。2014年春の選抜大会に出場し、甲子園1勝を挙げている。直井監督は、「4番ファースト」でプレーして1回戦・東陵戦で3安打を放つなど活躍した。26歳の若さでタスキを受けた指揮官は「監督就任は自分でも驚いているが、母校を強くしたいという一心で指導している」と話す。生徒たちに伝えているのは、藤田前監督の教えである「姿即心」「ボールの心は正直者」という言葉だ。「グラウンドだけではなく学校生活などの普段の姿が心に表れる。選手たちには、日常生活を大事にして野球と向き合ってほしい」(直井監督)。歴史を知る指揮官は、伝統を継承して復活を目指す。
■甲子園への道を切り拓く覚悟
新体制となった白鷗大足利は昨夏ベスト8、昨秋準優勝という結果を残している。悪くないスタートだが選手たちは納得していない。「優勝できていないのは確か。勝つためには何かを変えていかなければいけない。勝つための行動が必要だと考えている」(直井監督)。今年のチームは、最速148キロの剛腕・昆野太晴(2年)、大型スラッガー八角勇羽(2年=内野手)が軸となる。打撃でもパワーをみせる昆野は、2024年秋のドラフト候補。チームのポテンシャルは高く、甲子園への道を切り拓く覚悟も秘める。篠原飛羽主将(2年=内野手)は「打撃ではどこにも負けない力がある。打ち勝つ野球で甲子園を狙っていく」と力を込める。白鷗大足利は、甲子園への熱い思いを心に映して、夏の舞台へ向かっていく。