前橋商 9回の猛反撃で「継続試合」を制す
樹徳 決勝進出まで“あと3アウト”で惜敗
準決勝の前橋商対樹徳は、天候悪化によって大会初の継続試合となった。5回で中断して翌日に再開されたゲームは前橋商がミラクル劇を演じて決勝進出を決めた。
■前回優勝の前商と前々回優勝の樹徳
前橋商は昨夏の前回大会で13年ぶり6度目の甲子園出場を果たした。今夏のチームは、昨年の甲子園を経験した大型右腕エース清水大暉、小池絆主将、正捕手・米山泰成らがそのまま残り、経験値の高いチームとなった。対する樹徳は、エース石井真登、投打の二刀流・北爪優悟らが軸となり準決勝まで勝ち上がってきた。準決勝は7月25日の午後に始まったが、落雷によって2度中断し、3対3で迎えた5回表の時点で最終的に「継続試合」の判断が下された。選手のコンディションを考えれば妥当なジャッジだった。試合は翌日に再開したが、4イニング半の戦いとなった。
■前商、9回に逆転劇のドラマ
再開試合は3対3で進んだ7回に樹徳が北爪のタイムリー二塁打によって1点を勝ち越し。なおもチャンスが続いたが、前橋商が1失点で耐えたことが最終回につながった。前橋商は1点ビハインドの9回に無死満塁から犠飛で同点に追いつくと、二死満塁から押し出しで勝ち越しに成功。さらに髙橋風雅の走者一掃のタイムリー二塁打で3点を加えて8対4とゲームをひっくり返した。6回からマウンドに立つエース清水が9回をきっちりと締めてゲームセット。前橋商が、継続試合を制して決勝へ駒を進めた。樹徳は、勝利まであと1イニングだったが、2年ぶりの甲子園出場には届かなかった。