2017年秋、2019年夏にベスト8
「次なる時代」を作る旅路へ

立正大立正が今秋の予選で日大豊山を撃破して都大会進出を決めた。今季のチームは大きなポテンシャルを秘めている。

■過酷な予選ブロックを突破

新たな時代を作っていく覚悟と野心がみなぎっている。2017年秋、2019年夏にベスト8へ進出した実績を持つ立正大立正。コロナ禍の時は勝ち上がることができていなかったが、チーム力は維持してきた。新チームは夏休み中に、関東強豪と練習試合を重ねて手応えを得ていた。今秋は予選1回戦で今夏の東東京ベスト8の日大豊山と対戦。壮絶な点の奪い合いとなったが、6回以降に投打の歯車がかみ合い相手を突き放すと17対7で勝ち切った。予選決勝では実力校・目白研心に9対2で勝利して、過酷な予選ブロックを突破してみせた。近年の大会では勝負所で粘れなかったが、予選を勝ち上がったことでチームの進化を示してみせた。

■TEAMが人間的な成長を促す

チームの魅力を引き出しているのは内田和也監督だ。日大三で2001年夏に全国制覇を経験した外野手。高卒でヤクルトに入団し2007年までプレー(同年は西武在籍)。引退後に早稲田大に進学して教職免許を取得し2014年、立正大立正に教員採用、助監督を経て2016年秋に監督となった。名門・三高、プロでの経験もある内田監督だが、立正大立正では学校の気質に合ったチーム作りに尽力。時代に即したチームには、多くの選手たちが集まってくるようになった。指揮官が「強いチームは、控えが盛り上がっている」と話すように立正では、控え選手たちがレギュラー陣を鼓舞して一体感を生み出している。スローガンは「TEAM」。「TOGETHER」「EVERYONE」「ACHIEVES(達成)」「MORE」を重視して選手としてだけではなく人間的な成長を目指す。

■多彩な投手陣を軸に「泥臭く戦う」

今年のチームは多彩な投手陣が武器だ。実績十分のエース有吉凰介(2年=投手)のほか、秋予選で活躍した実戦派右腕・伊藤慎悟(2年)、最速137キロ右腕・鈴木優太郎(2年)が安定した投球をみせる。また本格派左腕・古谷太一(2年)、技巧派右腕・内海瑛太(2年)も力を伸ばしブルペンは充実している。チームは佐藤凛主将(2年=捕手)と有吉部長のダブルキャプテン制。2年生37人、1年生13人をまとめている。佐藤主将は「チームのポテンシャルは高いので、いかにゲームで力を発揮するか。東京で一番泥臭い野球をして勝ち上がっていきたい」と胸を張る。選手たちは貪欲に次の塁を狙い、全員野球で得点を奪っていく。「ポテンシャル×泥臭さ」が躍進の方程式となる。

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