2008、2017年の東東京大会で準優勝
悲願の甲子園出場へエネルギー充填

2017年夏の東東京大会準優勝などの実績を持つ東海大高輪台。縦縞のプライドを宿す東東京の名門は、悲願の甲子園出場へ向けて情熱を注いでいる。

■若き指揮官のもと新たなスタート

東海大高輪台は2008、2017年夏の東東京大会で決勝進出を果たし甲子園まで“あと1勝”へ迫った。初の甲子園出場に向けてチーム強化を図った宮嶌孝一前監督が健康上の理由によって昨夏後にグラウンドを離れたため、参謀だった深澤建人監督が昨秋から代行で指揮。今夏には5回戦で東亜学園に0対1で惜敗した。今秋からは正式に監督の立場で、選手とともに情熱を燃やす。30歳の若き指揮官は「チームを率いる責任の重みと、大会で勝ち上がることの難しさを実感している。選手たちの甲子園への思いを形にしてあげたい」とグラウンドに立つ。文武両道の選手たちは、港区高輪の校舎と、埼玉県浦和市のグラウンドを行き来しながら夢を追う。

■機動力を絡めた攻撃で勝ち上がる

今季のチームの主力となる2年生たちは、入学時から甲子園という目標を掲げて切磋琢磨してきた。東海大高輪台は、東海大系列高校で唯一甲子園出場に届いていないという。環境が各学校で違うため、甲子園実績がすべてではない。だが、選手たちは新たな歴史を築くべく練習に励む。鎮目幸大主将(2年=内野手)は「入学したときから全員で甲子園を目指して練習をしてきた。1日1日を大切にして成長していきたい。スターがいるわけではないので、みんなの力を合わせて戦っていく」と力を込める。チームは今夏から背番号1を背負う実戦派右腕・西海輝(2年)が軸。打撃陣は、富田隼輔(2年=捕手)、多々納元気(2年=外野手)のクリーンアップが力強い打球を飛ばす。守備でリズムを作りながら機動力を絡めた攻撃で得点を奪っていく。

■秋の敗戦を糧に這い上がる

今秋の都大会の合言葉は「6連勝」だった。都大会の頂点に立つためには、トーナメントで6回勝つ必要がある。一戦必勝を掲げながらも、選抜切符が当確となる「6連勝」を視野に入れていた。秋1回戦の相手は、夏に敗れた東亜学園。東海大高輪台は、2対2で迎えた9回表に1点を勝ち越して9回裏を迎えた。だが、最後に耐えきれずに2失点して無情のサヨナラ負け。秋のトーナメントを勝ち上がることができなかった。深澤監督は「秋に結果は出なかったが、チームには“エネルギー”を感じる。指導していて大きな手応えがあるので、自分自身も選手と一緒にもがきながら甲子園を目指していく」と語る。秋に「6連勝」は果たせなかったが、努力は続く。チームは選手の個性と意志を融合し、次代の扉を開いていく。

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