春夏通算3度甲子園出場の伝統校
2年生50人が団結し東東京の頂点へ

 2022年夏の東東京大会で甲子園にあと一歩に迫る準優勝となった日体大荏原。甲子園を夢見る選手たちが2025年夏に、あの場所へ戻って栄光をつかむ。

■2022年準優勝後に入学した世代

春夏通算3度の甲子園出場実績を持つ伝統校・日体大荏原。1976年夏以降、甲子園から遠ざかっているが、2022年夏に東東京大会で進撃をみせて決勝へ進出。決勝戦では二松学舎大附に惜敗したが、再び歴史の扉を開ける手前まで辿り着いた。それ以降のチームも力を維持し、2022年秋ベスト8、2023年夏はベスト32となった。昨夏も5回戦へ進出したが8強進出を前に惜敗して甲子園への道を阻まれている。今季の主力となる1・2年生は、2022年夏の結果を見て日体大荏原に入学してきた選手たち。甲子園出場への思いが、とりわけ強い世代となる。

■2年生50人が熾烈な競争

さらに心強いのは、最高学年となる2年生(4月から3年生)が50人も在籍していること。この人数は全国トップ規模で、各ポジションで熾烈なレギュラー争いが勃発している。夏メンバー20人枠は狭き門、夏への戦いはすでに始まっている。2022年夏にチームを準優勝へ導いた本橋慶彦監督は「ポジション争いが激しくなる中で、チームには刺激が加わっている。準優勝のあともチーム力はあったが勝ちきれていない。勝利への執念を試合で表現していく必要がある」と話す。昨秋都大会は、1回戦で二松学舎大附と対戦し6回まで4対3とリードしながら終盤に耐えきれずにミスから失点して4対7で惜敗。二松学舎大附はそのまま都大会を制して選抜出場を当確とした。選手たちにとっては悔やまれる戦いとなった。

■49年ぶりの夏甲子園へ闘志

1976年以来49年ぶりの夏甲子園を目指すチームは、攻守の力とリーダーシップを兼ね備える木村太郎主将(2年=内野手)と、都屈指の強肩強打のキャッチャー中村逢良(2年)が中心となってチームをまとめていく。1年生では身長178センチ90キロの大型スラッガー加治木健人(1年=内野手)が、試合で結果を残してメンバー入りをアピールするなどチームの底上げが進行中だ。投手陣は、実戦派サウスポー阿部旭(2年)、右腕・佐藤樹(2年)、右サイド小林壱真(1年)らが継投で役割を果たしていく。木村主将は「学校生活から徹底して、応援されるチームになっていく。あと一歩の壁を打ち破って甲子園へ行きたい」と視線を上げる。2年生(新3年生)50人、1年生(新2年生)30人に新入生が加われば100人を超える大所帯となる。日体大荏原は持ち前の団結力で東東京の覇権を奪い取る。

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