名将・福田監督就任から半年。
北毛地区初甲子園へ「初冬越え」
2019年4月に全国制覇の経験を持つ福田治男監督が就任した利根商。
北毛地区初の甲子園出場を狙うチームは、着々と土台を固めている。
■ 3大会で示した可能性
利根商は、桐生第一時代に全国制覇を果たした名将・福田監督の就任から半年が経過した。
北毛地区初の甲子園出場を目指し新体制でスタートを切ったチームは、福田監督のもとで春・夏・秋の3大会を終えた。
“初陣”となった春大会は初戦を突破すると2回戦で健大高崎と対戦するという巡り合わせ。
利根商は、健大高崎相手にロースコアの戦いに持ち込んだが0対2で敗れた。
指導わずかでのゲームだったが利根商は持てる力を発揮した。
続く夏大会も、不思議な巡り合わせだった。
嬬恋、伊勢崎清明、桐生市商の実力校を下して準々決勝へ進むと、古巣・桐生第一と対戦することになった。
結果は0対10で敗れたが、チームはベスト8へ進出してみせた。
そして新チームで迎えた今秋は1回戦で伊勢崎工に6対7で敗れて初戦敗退となった。
福田監督は「(就任から)半年が過ぎてみてあらためて高校野球の面白さと難しさを感じている。
どんな相手でも接戦に持ち込めば、勝つことは可能。
そしてそのゲームを勝ち切る強さをつけていきたい」と、3大会を振り返る。
■ 冬をどう乗り切るか
新チームは、峰川悠矢主将(2年=内野手)、村田佳翼副将(2年=外野手)、小林剣大(2年=内野手)の3選手が軸となっている。
福田監督の野球が浸透してきているチームは、秋大会こそ勝利をつかめなかったが、秋大会後の練習試合で結果を残すなど手応えも生まれている。
峰川主将は「守備でリズムを作って、攻撃につなげていく。
3年生たちがベスト8まで進んでくれたので、僕たちはそれ以上の結果を残さなければいけないと思っている」と自覚する。
利根商は、福田監督就任後、初の「冬」を迎える。
積雪や寒さなど平野部とは違う気候の状況下、どのように冬を乗り切るかが来春以降のポイントになる。
平野部のチームよりも、グラウンドレベルでの練習時間が少なくなるのは事実で、それを補っていく工夫が求められている。
福田監督は「冬は予想以上に寒いと感じている。
この環境の中で、甲子園に行くためにチームに適した練習を考えていくことが指導者の役割。
年間を通じた『スケジューリング』と『仕組みづくり』が確立されてくれば、チーム、選手が成長していくはずだ」と、チーム強化に励む。
タイムマネジメント
利根商・福田治男監督は、練習インターバルでストップウォッチ片手に選手たちを見守っている。
練習再開の時間をしっかりと決めることで、効率良い練習を目指す。
福田監督は「寒さなどで練習時間が限られているので、時間をより大切にしなければいけない」と話す。
峰川悠矢主将(2年=内野手)は「無駄な時間をなくすことが、チームの成長につながっていく」と機敏な動きをみせる。
甲子園を目指すチームは、タイムマネジメントによって意識改革を図っている。
利根商業高等学校
【学校紹介】
住 所:群馬県利根郡みなかみ町月夜野591
創 立:1958年
甲子園:なし
利根沼田学校組合立の高校。
商業系学科(地域経済科、情報経済科)と普通科から成る。
野球部は「北毛地区初の甲子園出場」を狙う。