

2025群馬大会ベスト4の農大二
2025年夏 群馬大会【戦記】農大二 伝統の力でベスト4進出 全員で紡いだ新たな歴史
春夏通算8回の甲子園出場の伝統校
プロ注目のエース山田を軸に4強進出
春夏通算8回の甲子園出場実績を持つ農大二が今夏に力強い戦いを演じた。プロ注目のエース山田琉聖を軸に勝ち上がりベスト4へ進出。準決勝では健大高崎に屈したが、伝統復活を印象付けた。
■昨秋は33年ぶりに関東大会出場
春3回夏5回甲子園出場の私学伝統校・農大二。1980〜1990年代にかけて計6度の甲子園を達成。直近では2009年夏に甲子園に出場している。復活を期す農大二は2023年春、新たな活力としてOBで2009年夏の甲子園を経験した青木一将監督を迎えた。そこから自力を蓄えたチームは昨秋準優勝で33年ぶりに関東大会へ出場。初戦で勝利しベスト8に進出すると、横浜(神奈川)と接戦を演じて選抜出場有力校に挙げられた。選抜切符は届かなかったがチームの価値は高まった。今夏は16年ぶりの甲子園を目指して上州のトーナメントに挑んだ。
■準々決勝・前橋商戦で大逆転劇
今夏は粘り強い戦いが目立った。初戦の2回戦・伊勢崎清明戦では2点を先制され5回まで2対3と劣勢だったが終盤に反撃をみせて9対4の逆転勝利。エース山田は5回でマウンドを降りてレフトへ回ったが6回に逆転の2点適時打を放って勝利に貢献した。山場となったのは準々決勝の前橋商戦。先発した左腕・蛭川敬介からエース山田の継投で7回まで0対1の僅差でゲームを進めると、8回に打線が爆発した。2死から怒涛の6連打で一挙5点を奪って逆転に成功しベスト4進出を決めた。
■次世代へつながる戦い
準決勝・健大高崎戦は先発のエース山田が初回に3失点する立ち上がりだったが、2、3回を0で抑えるなど意地のピッチング。最後は地力の差で0対12の6回コールド負けとなったが、最後まであきらめない姿勢をみせた。青木監督は「準決勝では力及ばずに勝てなかったが大会を通じてスタンド一体の戦いをみせることができた。メンバー外の3年生がスタンドを盛り上げてくれたことに感謝している。昨秋は33年ぶりに関東大会に出場したが、この代の選手たちは農大二の新しい歴史を作ってくれたと思う」と評した。2009年以来16年ぶりの夏甲子園出場は果たせなかったが、今季の経験は次世代へつながる。農大二は、甲子園への大きな一歩を再び踏み出した。
