
■3投手の継投でタイブレークを制す
健大高崎は、決勝戦に備えて最速158キロのエース石垣元気、昨春選抜V投手佐藤龍月、最速145キロの実戦派左腕下重賢慎の3投手を用意していた。佐藤は昨夏に左肘トミー・ジョン手術を行い今夏に復帰。球数限定で投球準備を進めてきた。先発は、安定感抜群の下重だった。2回まで1安打のピッチングをみせたが、3回に3ランを浴びて3点ビハインドとなった。「3点は正直想定外だった」(青栁監督)。
窮地を救ったのは、3番の秋山潤琉だ。1点を返して迎えた二死1塁のシーンでレフトスタンドへ2ランを放って同点に追いついた。「インコースのスライダーをうまく捉えられたので打った瞬間に入ったと思った」(秋山)。ゲームは3対3のまま両軍一歩も譲らずにイニングが進む。
健大高崎は6、7回に佐藤が登板。8回からエース石垣をマウンドへ送った。「タイブレークを考えたとき石垣のストレートは一番のバント対策になる」(生方啓介部長)。延長10回、石垣は前橋育英から2度のバント失敗を誘って流れを引き寄せると延長11回のサヨナラ勝利につなげた。「イメージどおりのピッチングができた」(石垣)。3投手の継投でタイブレークを制した健大高崎が、2年連続夏甲子園出場を決めた。