3年生から2年生へ、「繋心」で快進撃
コロナ禍で完全燃焼、悔いなき終戦
島田商の今年のスローガンは「繋ぐ」。
今大会、チームは当初、3年生で戦う予定だったというが、勝ち上がるとともに、2年生主力も戦力に加わった。
3年生は後輩たちに伝統という名のバトンを繋いだ。
2020年9月号掲載
(取材・伊藤寿学)
■甲子園春夏通算12回
島田商は、春夏通算12回出場(戦前に11回)の甲子園出場を誇る伝統校。
1940年の全国準優勝後、試練のときが長く続いたが2018年夏に77年ぶりの決勝進出を果たした。
今年の2年生は、準優勝に刺激を受けて入学してきた選手たちで、実力が高い選手が多かった。
コロナ禍の代替大会、チームは当初、3年生中心のチームで試合へ臨んでいた。
島田商は1回戦で池新田、2回戦で浜松日体、3回戦で磐田南を撃破し、4回戦へ。
進撃とともに、主力2年生が3年生を支援する形となった。
■準々決勝は3年生が意地
準々決勝・浜松開誠館戦は、2桁背番号の2年生4人がスタメンに入った。
序盤は、先発斎藤希隆(3年)が丁寧なピッチングで浜松開誠館の一巡目をきっちりと抑えていった。
しかし、4回2死から長短打を浴びて4点ビハインドの展開となる。
打線は、浜松開誠館のエース長屋竣大(3年)に4回まで無安打に抑えられてしまう。
島田商は6、7回にも1失点ずつを献上し、0対6で最終回を迎えた。
7回2死から、代打・中野僚(3年)が右翼越2塁打、さらに平口璃空(3年)が単打で繋ぎ、3年生が最後に意地をみせた形となった。
最後の打者は、主将・増井悠太(3年)となったがバットは空を切り、ゲームセットとなった。
■つながれたタスキ
池田新之介監督は「6点差で最終回になったが『逆転は不可能ではない』と伝えた。
最後は3年生たちが力をみせてくれた。
3年生が勝ち上がってくれて、島商の伝統を2年生たちに繋いでくれたと思う」と頷いた。
主将・増井は「自分の三振で終わってしまったが、しっかりと振ったので悔いはない。後輩たちは僕たちが行けなかった甲子園を狙ってほしいと思う」と夢を託した。
島田商のタスキはしっかりと繋がれた。