春ベスト4は夏へのプロローグ
春季県大会26年ぶりベスト4
伝統進学校が春季大会で躍進をみせた。3回戦で前橋育英を破ると、勢いに乗ってベスト4へ進出。士気高まるチームは、夏へ向けて「本気のチャレンジ」を続けている。
■春季最大の「番狂わせ」
春季大会は、周囲を驚かせる「番狂わせ」を起こしてみせた。1回戦で常磐、2回戦で渋川に勝利し3回戦・前橋育英戦へ臨んだ。優勝候補の一角だった前橋育英に対して、太田は怯むことなく真っ向勝負。0対1で迎えた4回に、相手を揺さぶりチャンスを広げていくと、澤田大和主将(3年=内野手)の走者一掃三塁打などで一挙7点を奪う猛攻撃をみせていく。続く5回には1番・糸井達輝(3年=外野手)の三塁打も飛び出してさらに3点を追加。リードを大きく広げていった。サウスポーエース大舘陽七薫(3年)から、寺島優(3年)への継投で反撃を最小限に抑えると、10対3の7回コールド勝利。文武両道進学校は自らの力で、ベスト8へ進出してみせた。
■準決勝で惜敗も堂々の戦い
勢いは止まらない。準々決勝では、公立伝統校・高崎商と対戦。エース大舘の好投によってゲームを作っていくと、5回までに3対1とリード。大舘の打撃での活躍もあり6回に4点、さらに8回に1点を加えて8対1の8回コールドでゲームをクローズし26年ぶりにベスト4へ進出した。準決勝は、関東学園大附。結果的に県大会で優勝した相手に対して、澤田主将が本塁打を打ち込むなど一歩も引かない戦いをみせた。総力戦となった状況下、5対6での惜敗となったものの、その戦いぶりにはスタンドから大きな拍手が送られた。堂々の結果だったが、選手たちは決して満足していない。試合後、笑顔をみせる者はいなかったという。太田は、この悔しさを夏への原動力に変えて、再び練習に励む。
■本気の「文武両道」を実践
チームを率いるのは太田OBの岡田友希監督。早稲田大卒業後に臨時採用で母校を指揮し、利根実での10年を経て2013年秋に母校指揮官へ戻った。「文武両道」を追求していく中で、選手たちの実力を引き出すためにマンスリー、ウィークリーで目標を設定。選手たちは自身の考えを各シートに書き込み、練習へ向かう。野球ノートも貴重な“練習”となっている。新チーム始動当初は、意見がぶつかることもあったというが、県制覇、そして甲子園を目標にすることで方向性がはっきりした。「県No.1」になるためには何が必要かを考えれば、すべての答えは明白だった。澤田主将は「勉強を言い訳にしてはいけない。文武両道という言葉だけではなく、勉強も野球も本気で取り組むことが大切だと考えています」とチームを牽引している。チームは、澤田主将を軸に、1番・糸井、4番・川緑健太(3年=内野手)、エース大舘、リリーバー寺島ら、投打の戦力は整っている。春ベスト4は、夏躍進へのプロローグ。太田の進撃は、夏へと続いていく。