【高根沢 野球部】「凡事徹底」 #高根沢

今秋48年ぶりのベスト4進出
克己心を武器にさらなる進化へ

高根沢が今秋の県大会で進撃をみせて48年ぶりにベスト4へ進出した。選手たちは自分たちの力を信じて、大きな結果をつかんでみせた。

■地域に大きな活力

2年生12人、1年生8人のチームが今秋、大きな結果を導いてみせた。進撃は、秋のシードを決める交流戦から始まっていた。コロナ禍で練習が制限されて、新チーム構築の時間が少なかったが、交流戦1回戦で足利に勝利し、2回戦では鹿沼南を下した。交流戦決勝の相手は白鴎大足利となったが、7対5で勝利をつかんでシード権を獲得した。秋大会では2回戦で足利工、3回戦で小山に勝利し、準々決勝で国学院栃木と対峙。私学強豪相手に一歩も引かぬ戦いをみせて5対3で金星をつかんでみせた。ベスト4入りを果たしたチームは決勝進出をかけて文星芸大附と戦ったが、相手の対策に屈する形で2対12のスコアで敗れた。進撃は準決勝で止まったが、地域に大きな活力を与えた。

■野球を楽しむことを追求

チームを率いるのは、新卒2年目の若き指揮官・田村優風監督だ。地元・高根沢町出身で、大田原高のエースとして活躍。大学卒業後、高根沢着任と同時に野球部監督となった。コロナ禍での指導スタート。その中で新米監督は試行錯誤を繰り返す。2020年夏、2020年秋、2021年春予選、2021年夏は1試合も勝てなかった。しかし、前3年生が築いた礎が、新チームに継承されていた。田村監督は新チーム始動と同じ時期に、野球部の指標を「凡事徹底」と定めて、日常生活から、礼儀、あいさつ、片付けなど当たり前のことを当たり前に取り組む姿勢を求めた。さらに、野球を楽しむことを選手と共に追求していった。そして「勝利にこだわること」も強く求めた。交流戦1回戦で監督初勝利を挙げると、そのまま栃木の4強へと駆け上がってみせたのだった。

■学年を越えて切磋琢磨

ベスト4進出のチームをまとめるのは、鴨川聖主将(2年=外野手)。鴨川主将は新チーム誕生後に、選手たちと「切磋琢磨し合い、勝ちにこだわる」というスローガンを決定。試合前にはチームでこの言葉を意識してゲームへ臨んでいった。チームの軸は、薄羽啓之(2年)、馬崎徳仁(2年)、猪瀬空(1年)の左腕投手陣。エース薄羽がゲームを作り、馬崎、猪瀬への継投で勝ち上がった。打線は、1番の福山翔大(1年=内野手)、クリーンアップの齋藤航(2年=内野手)、栫流星(2年=捕手)、五味渕翔(2年=内野手)が中心。主役はいないがチーム全員でつないで得点を奪っていく。秋大会では福山と五味渕が優秀選手に選ばれた。チームは秋準決勝敗戦の悔しさを忘れないため、グラウンドのスコアボードに文星芸大附戦のスコアを掲示している。冬のテーマは「克己心」。鴨川主将は「秋ベスト4は過去の結果。自分自身に負けないように努力して、春、夏はベスト4以上の結果を残したい」と話す。高根沢は、本気で頂点を目指す。

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