エース市川祐、夏へ万全
5年ぶり5度目の春優勝
関東一がコロナ禍で延期になっていた春季都大会決勝で日大三を5対0で下して5年ぶり5度目の優勝を果たした。春の栄冠を手にしたチームは、羽を休める間もなく夏大会へ突入していった。
■決勝は日大三に5対0
関東一が盤石の戦いで、コロナ禍の春季都大会を制した。当初決勝戦は4月25日に予定されていたが2度の延期によって夏大会直前の6月21日開催となった。チームは5月に関東大会に出場、関東強豪相手に決勝まで勝ち上がって準優勝を収めていた。都大会決勝よりも、関東大会が先になる異例のスケジュールとなったが、選手たちは士気高く、ゲームへ臨んだ。決勝戦の先発は、エース市川祐(3年)。昨秋以降、オーバースローからスリークォーターのフォームに改造。春季都大会序盤はまだフォームが固まっていない印象を受けたが、関東大会の好投を経て安定感が増した。低い重心から最速143キロのストレートと、ブレーキの効いた変化球を投げ込み、日大三打線に的を絞らせなかった。被安打2奪三振8の完封勝利。ベストピッチングとも言える内容で、エース復活を強く印象付けた。
■走攻守のバランス整うチーム
決勝・日大三戦では、エース市川を中心とした守備でリズムをつかむと、1〜9番の各打者たちがチームバッティングに徹して、着実に加点していった。ポテンシャルの高いチームだが関東大会計4試合の経験によって力強さが増している。「チームとして形になってきている」(米澤貴光監督)。 夏の東東京大会の優勝候補筆頭だ。投手陣はエース市川を軸に、鈴木義信(3年)、成井颯(2年)も計算できる。東東京大会は準決勝、決勝が連戦予定のため、この投手層は夏制覇の好材料だ。打線もリードオフマン染谷真ノ介(3年=外野手)がスイッチ役となり、クリーンアップの初谷健心(3年=内野手)、楠原悠太(3年=内野手)へつなぐ。2番・立花大地(3年=内野手)が役割を果たせば、8番・石見陸(3年=捕手)も勝負強さを見せる。走攻守のバランス整うチームは、東東京大会の大本命であることは間違いない。
(2021年8月号掲載)