【伊勢崎清明 野球部】「再起」 #伊勢崎清明

2014年夏準優勝の公立強豪
新たなスタイルへのバージョンアップ

2014年夏に準優勝を果たすなど公立強豪の地位を確立している伊勢崎清明。髙田繁監督就任2年目、過去の戦績をアップデートする瞬間が近づいている。

■過去10年間の確かな実績

2010年からの10年間で、確かな実績を残してきた伊勢崎清明 。2012年夏には、選抜4強の健大高崎を4回戦でコールド撃破し、周囲を驚かせた。2014年夏は初の決勝へ進出し甲子園が遠くないことを示した。公立の雄としてのポジションを確立したチームはその後もコンスタントにベスト8へ進出。コロナ禍の2020年夏の独自大会でもベスト8へ駒を進めるなどその力を誇示してきた。

■コロナ禍での「再起動」

チームは2019年度まで齊藤宏之前監督が指揮していたが、2020年から髙田繁監督にタスキが渡された。桐生西で実績を残して伊勢崎清明へ異動してきた新指揮官だったが、コロナ禍での指導スタートとなった。2020年夏ベスト8以降、チームはコロナ禍で難しい時間を過ごしてきた。2021年夏は1回戦で前橋東に勝利したが2回戦で桐生第一に敗れ、2021年秋は1回戦で関東学園大附に屈した。私学強豪の壁を越えれば次なるステージが待っていると言える。

髙田監督は「名門を任せてもらっていることには大きなやりがいがありますが、自分の力の無さも痛感しました」と心境を明かす。若き指揮官は再起を誓う。コロナ禍を考慮すれば決して悪くない成績だが、清明のユニホームに袖を通す選手たちは満足していない。

■個性あふれる選手が集結

今季の2年生は、高田監督の異動とともに入学してきた選手たち。コロナ禍によって練習時間の制限がある中で、最大限の努力をみせている。三塚遥太主将(2年=中堅手)がキャプテンシーを発揮して、チームを盛り上げている。打撃はリードオフマン伊藤憲伸(2年=三塁手)、主砲・鈴木優羽(2年=捕手)が牽引、1〜9番に個性あふれる選手が揃い、それぞれが役割を果たす。投手陣は、最速136キロの左腕・伊藤颯磨(2年)と、キャッチャーのミットに正確に投げ込む右腕・須田航輝(2年)というタイプの違う左右ダブルエースで勝負する。チームの攻守のバランスは良く、春・夏への伸びしろは大きい。

■2022年夏へバージョンアップ

2021年の秋季大会は1回戦で、私学強豪・関東学園大附と対戦。コロナ制限で練習試合がほとんどできない中での公式戦となったが、選手たちは必死に食らいついていった。しかし、相手のパワーに屈して4対8で敗れる結果となった。先発の左腕・伊藤は「ストレートの球威はあってもコースが甘ければ打たれてしまう。強豪を抑えられるストレートと、決め球の変化球を身につけなければいけないと感じた」と振り返る。

選手たちは秋の悔しさを糧にトレーニングに励む。苦しい練習もみんなで乗り越えられるのが今季のチームの特長。髙田監督は「努力ができる選手たちだからこそ結果を導いてあげたい」と寄り添う。三塚主将は「清明は強いというイメージがある中で、最近は勝ち上がれていない。自分たちの代で甲子園へ行って、新しいイメージを作っていきたい」と話す。2022年の夏へ向かうチームは、過去の結果を更新することでバージョンアップしていく。

 

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