【日大櫻丘】「原点回帰」  #日大櫻丘

1972年選抜初出場初優勝の伝統校
2020年夏ベスト16からの飛躍へ

 選抜初出場初優勝の実績を残る伝統校・日大櫻丘。その後も確かな戦績を残すチームは、再びトーナメントを駆け上がるべく爪を研いでいる。

■意欲と野心、技術を備えた世代  

日大櫻丘は、1972年の選抜甲子園に初出場すると聖地で進撃をみせて優勝旗を持ち帰ってきた。その伝統と矜持はいまのチームにも引き継がれている。チームは2014年の西東京大会でベスト16へ進出。2018年の西東京大会で4回戦進出。さらに2020年の独自西東京大会ではベスト16へ駆け上がってみせた。今秋の新チームの主軸となった2年生は、2020年の戦いをみて入部してきた選手たち。上を目指す意欲と野心、そしてスキルを兼ね備えた期待の世代だ。大麻恭祐主将(2年=内野手)は「自分たちの世代で新しい歴史を作っていきたい」と練習に打ち込む。多くの選手たちが今夏の西東京大会を経験。今夏は初戦となった2回戦で田無に敗れて涙をのんだが、その悔しさを糧に立ち上がった。

■脱「コロナ禍練習」で再生の道へ  

「不撓不屈」の理念を掲げるOB指揮官の佐伯雄一監督は、選手たちに寄り添う指導で力を発揮させてきた。対話や意見交換を重視してきたが、2020年春からのコロナ禍によってミーティングなどが難しくなり、2020年秋以降、結果を残すことができなかった。限られた時間の中で効率良い練習にこだわり過ぎたことで、フィジカル強化やコミュニケーションというチームの根が細くなってしまっていた。この秋の新チームからは、柔軟&ストレッチのフィジカル強化を入念に行い、「戦略・技術(打撃・守備・走塁)」「運営(道具管理・校内活動・マネージャー)」の委員会制度を復活させてコミュニケーションを深めた。佐伯監督は「結果が出ていたチームのとき、何をしていたのかを整理しました。そして、もう一度、原点に戻ってスタートしました」と明かす。脱コロナ禍で、原点回帰を選択したチームには再び光が差し始めている。

■団結力を武器に新時代へ

 新チームは大麻主将と、間弓琉太主将代理(2年=内野手)が中心となって、けん引している。大麻主将が負傷リハビリによって離脱しているため、間弓主将代理を置いて秋都大会へ準備を進めた。一次予選では城北、九段に勝利して本戦出場を決めた。投手陣は、実戦派・左腕の野田風駿(2年)と、右アンダースローの星川陽生(2年)のダブルエース。極端にタイプの違う2人は、相手打線にとって難しい投手陣。打線は、1番・間弓主将代理、4番・栗山健太(2年=外野手)らが核となり、チャンスで畳み掛ける攻撃をみせていく。投打のバランスは、近年のチームでは屈指で、春・夏へ向けてのポテンシャルは大きい。大麻主将は「今年のチームは、団結力が武器。先輩たちの分まで勝ち上がって、新しい時代を作っていきたい」と虎視眈々と上位を狙う。選手たちは一つひとつの行動に全力疾走をみせ、グラウンドには活気がみなぎる。選手たちの視線の先には、甲子園がはっきりと見えている。

 

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