7年ぶり6度目の選抜決定
東京準優勝で選抜切符獲得
秋季都大会準優勝の二松学舎大附に、関東・東京6校目の選抜切符が届いた。東京から2校選出は5年ぶり。二松学舎大附は東京の誇りを背負って選抜へ向かう。
■秋季都大会準優勝で吉報
手にするはずだった秋の優勝旗は、土壇場で奪われてしまった。昨夏の東東京大会を制して甲子園に出場。夏を経験した主戦・布施東海、主砲・瀬谷大夢、クラッチヒッター親富祖凪人らが残る新チームは、盤石の戦いで秋のトーナメントを駆け上がった。準々決勝で狛江に勝利すると準決勝では関東一と対戦。東東京のライバル相手に終盤に得点を重ねて6対1で勝利。決勝進出を果たして、選抜確定に王手をかけた。決勝・国学院久我山戦でも、攻守に緻密な戦いをみせていった。エース布施が立ち上がりから抜群の制球力で相手打線に的を絞らせない。3、4回に1点ずつを奪うと8回にも加点し3対0。8回裏に1失点し1対3となったが、二松学舎大附は優勝に近づいていった。しかし、9回裏に野球の難しさを思い知らされた。
■注目集まった選抜出場の行方
9回1死後、布施が単打を許すと、四球とヒットで1死満塁となる。次の打者を中飛に打ち取り、2死満塁。相手の4番に対して、布施は初球にカーブを選択したが、強振されて打球はライト後方へ。ライト親富祖が必死に腕を伸ばしたが、無情にもグラブを弾いてフェンス直撃。走者一掃の二塁打となり、痛恨のサヨナラ負けとなってしまった。選手たちは、まさかの展開に呆然と立ち尽くした。3対4の敗戦での準優勝。選抜出場の行方は、選考委員会に委ねられた。試合後、市原勝人監督は「自分たちに甘さがあったということ。甲子園は優勝していく場所。(選抜については)あきらめずに練習を続けていくしかない」と語った。そして、1月28日を待った。
■心身を磨いて吉報を待つ
選考委員会当日、学校校長室は緊迫した空気が流れていた。関東・東京地区6校目は、二松学舎大附と東海大相模の2校が有力だったが、過去4年、都大会準優勝チームには選抜切符が届いていない。関係者が固唾をのんで待つ中で、校長室の電話が鳴った。本城学校長は「謹んでお受けいたします」と答えて、選手たちに吉報を伝えた。市原勝人監督は「ギリギリまでどっちになるか分からない状況だった。選手たちには、心身を磨いて、待とうと伝えていた。準優勝で選んでもらったので恩返しできるように準備していく」と話した。小林幸男主将は「ドキドキしながら待っていた。甲子園では選んでもらった責任を果たしたい」と引き締めた。チームは東京のプライドを背負って、選抜の地へ立つ。目標は全国制覇だ。
日本一の目標へ向かっていく
小林幸男主将(2年=内野手)
「決まった瞬間、チームメイトのみんなと喜びました。選んでいただいたので、東京の代表としての責任を果たしたい。日本一の目標を掲げて練習を積んできた。選抜では自分たちのすべての力をぶつけていきたいと思います」
二松学舎大附・市原勝人監督
選抜に行けると信じて努力してきた
「どっちになるか分からない状況での結果だったので、大きな喜びがあります。選手たちにとっては難しい時間となりましたが、気持ちを切らさずに厳しい練習を乗り越えてきてくれました。選手には『(選抜が)ある』と信じて、心身を磨こうと伝えてきました」