【春季群馬県大会レポート】前橋育英  「春の頂点」 #前橋育英

一丸勝利、3年ぶり9回目の春優勝
夏甲子園群馬大会6連覇へ視界良好

 前橋育英が春季関東地区高校野球大会群馬県予選で3年ぶり9回目の優勝を果たした。準決勝で桐生第一、決勝で健大高崎に勝利し、春の頂点に駆け上がった。前橋育英は5月21日から栃木県で開催される関東大会へ出場する。

■昨夏の甲子園メンバーが主軸  

全国高校野球選手権群馬大会5連覇中の前橋育英(2020年は甲子園中止、独自大会のためカウントなし)。昨年夏は、エース外丸東眞(慶応大)を軸に群馬大会を制して甲子園の地を踏んだ。2022年のチームは、昨年夏の群馬大会決勝・健大高崎戦で決勝本塁打を放った岡田啓吾、横倉拓実が軸となり始動。しかし秋季県大会では、コロナ禍でのコンディション面などの問題もあり、チームの持てる力を発揮できなかった。それでも初戦の高崎商大附戦で5対4と粘勝するなど意地をみせた。だが、準々決勝・桐生第一戦で1対8の7回コールド負け。悔しさを味わい、秋を終えていた。選手たちは、練習時間が限られる中でも地道に練習を重ねて春を待った。

■準決勝で秋の雪辱果たす  

春季大会は、一戦ごとに成長していった。初戦となった2回戦・館林商工戦は18対3、3回戦の渋川戦は8対1で勝利。準々決勝は公立強豪の前橋商が相手となった中で打ち合いになったものの15対8で勝ち上がった。準決勝の相手は、秋の準々決勝でコールド負けした桐生第一。初回に2点本塁打を許して先制されたが、2回に清塚成、和田貴一の長打、1番・横倉の2点本塁打などで一挙5点を奪って逆転すると、その後も打線がコンスタントに得点を重ねて11対7で乱打戦を制した。投手陣は、岩崎鈴音、髙幸太朗、生方碧莞の継投で逃げ切った。チームは、秋に敗れた相手からの勝利で、自分たちの成長を示してみせた。

■決勝はエース生方170球完投  

決勝戦の相手は、健大高崎だった。健大高崎が準決勝不戦勝(利根商大会辞退)となったため、連戦となった前橋育英に日程的なハンディもあったが、チームは力強く戦った。先発の背番号1・生方が2回にソロ本塁打を被弾し1点を失ったが、130キロ台後半のストレートと低めの変化球で健大高崎打線を封じ込んでいく。前橋育英は0対1で迎えた8回に和田のタイムリー内野安打で同点に追いつくと、9回には岡田主将の犠飛で2対1と逆転に成功した。9回裏、チームが最後のアウトをつかむと、170球を投げ抜いたエース生方を中心にしてマウンドには歓喜の輪が出来た。桐生第一、健大高崎のライバル2校を下しての春頂点は価値がある。荒井直樹監督は「このチームは秋のコールド負けがスタート。この春は勝ち上がることで経験を積んでくれた。このチームには伸びしろしかない。1日1日、1試合1試合を大事に夏へ向かっていきたい」と語った。チームは春の経験を糧にしてさらに進化していく。

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