今夏は2年生エース増井の活躍でベスト16
短時間集中型で目指す更なる高み
県屈指の進学校である静岡東。野球部は創部60周年を迎え、今夏は15年ぶりのベスト16入りを果たした。更なるステップアップのため、細部まで強化を図っている。(取材・栗山司)
■15年ぶりにベスト16入り
「夏は全てが上手く噛み合ってくれた。自分たちのやりたい野球ができた」 そう戸塚哲弥監督が振り返る今夏の県大会。初戦の吉原工戦はリードを許す展開も、8回に新庄朝斗(2年=捕手)のタイムリーなどで逆転に成功。勢いに乗ったチームは2回戦(対富岳館)はコールド勝ち。3回戦では代打・柴晴信(3年=内野手)の決勝打で小笠を接戦の末に下した。15年ぶりとなるベスト16入り。創部60周年の節目での快進撃だった。 2年生エースの増井颯を中心に粘り強く守り、攻撃は勝負強さを発揮。戸塚監督は「3年生を中心にやり切ってくれた」と目を細める。
■時短で集中する
国公立大への進学率が高く、県トップクラスの進学校として名を馳せる静岡東。日々の練習時間は3時間程度と短く、帰宅後、学習塾に通う選手もいる。 練習はアップ、キャッチボールに始まり、シートノックやフリー打撃が中心。前半の時間は中堅、右翼の位置をサッカー部が使用するため、内野と左翼部分を使ってシートノック。サッカー部の練習が終わった後半で打ち込みを行っていくのがルーティーンだ。 短時間に集中するからこそ、心掛けていることがある。 メニューに入る際、必ず選手全員が集まって話し合う。主将の鈴木貴幸(2年=内野手)が説明する。「次のメニューで心掛けることを意識付けています。例えば今日は『守備での一歩目を早くしよう』と決めて、全員が確認し合ってから練習に入りました」 1分1秒も無駄にしないと、高い意識を持って取り組んでいる。
■目指すはベスト8
前チームからレギュラーが4人残った新チーム。しかし、秋は中部地区大会で敗退し、県大会出場を逃した。県代表決定戦で駿河総合に0対1、敗者復活戦では静岡市立に3対5で敗れた。 走者を出しながら本塁が遠く、「試合の流れをつかめなかった」と鈴木。秋から冬にかけては得点力不足を解消すべく、攻撃のバリエーションを増やしている。 チャンスで簡単にフライを上げてしまったことを反省し、フリー打撃では低く強い打球を徹底。さらに、バントやエンドランなど、機動力の精度を高めている。 目標は先輩たちの成績を超えること。来年は春の県大会勝利から夏のベスト8へ。「誰からも応援されるチーム」というスローガンを掲げるチームは、再び勝利の歓喜を周囲に届ける。