秋季大会3回戦進出に確かな手応え
ホップ・ステップ・ジャンプで勝負のシーズン
藤沢西は昨秋の県大会でベスト32となり大きな手応えを得た。コロナ禍でも進化を遂げるチームは「全姿全霊」をスローガンに、持てる力のすべてをぶつけていく。
■予選は3戦3勝で1位通過
昨秋の県大会は自分たちの力を試す場だった。地区予選で、小田原城北工、平塚工科、高浜を相手に3戦3勝で1位通過。平塚工科とのゲームは得点の奪い合いになったが10対7で総力戦を制した。一戦ごとに力をつけたチームは県大会初戦の2回戦で磯子工と対戦した。一進一退のシーソーゲームとなった中で、8対6で迎えた9回裏に2失点して8対8となる嫌な流れで延長戦へ突入。しかし延長10回表に1点を勝ち越すと、そのまま逃げ切り9対8で勝利してみせた。3回戦は私学強豪・横浜商大との対戦になったが、藤沢西は一歩も引かない戦いを演じていく。チームは初回に先制したが3回までに1対3となる展開。両チームともに1点ずつを加えた状況で必死に食らいついていくと8回表に1点を奪い、3対4まで持ち込んでいく。しかし、あと一歩及ばずに3対5で敗戦。敗れはしたが、春・夏に向けて収穫を得たゲームになった。
■私学相手に真っ向勝負
チーム強化に情熱を注ぐ三宅裕太監督は、今季を「勝負の年」と位置付けている。前チームから3年計画で「ホップ・ステップ・ジャンプ」のプランを立ててきたが、3年生たちがチームの土台を作った上で「ホップ・ステップ」の段階まで駒を進めてくれたという。先輩たちの思いを継承した新チームの選手たちは、助走を経て飛び立つ準備を進めることができた。2年生13人、1年生9人のチームは学年の枠を超えて切磋琢磨。秋季大会へ挑み、確かな手応えをつかんだ。三宅監督は「秋季大会では横浜商大さん相手に受け身になるのではなく真っ正面からしっかりと戦うことができた。チームの土台を作ってくれた3年生のためにも春・夏で確固たる結果を残したい。日々部員たちの覚悟と行動を目の当たりにすると、必ず夢への道を切り拓いてくれるはずだと信頼している」と指導に熱を込める。
■真の強さを得るために
今季のチームは、繁野夏輝主将(2年=内野手)、山口太凱副将(2年=投手)、竹村光平モチベーションリーダー(2年=捕手)が軸となる。チームスローガンは「全姿全霊」。選手たちは、高校生活のすべてを高校野球に捧げて結果をつかむ覚悟だ。夏のベスト4以上を目標に設定した選手たちは12月25〜27日まで学校で強化練習を行い、限界まで自分たちを追い込んだ。「ALL OUT」。全メニュー終了後、選手たちは倒れこみながらも全員でハイタッチをかわして、健闘を称え合ったという。繁野主将は「秋3回戦で良い戦いはできたが勝ち切れなかった。1点、1球の重みを忘れずに春・夏へ向かっていく。目標達成のために一日一日を大切にして、チーム一丸となって戦っていく」と強い気持ちをみせる。技術的にも精神的にも強度の高いトレーニングをこなすチームは、真の強さを得ようとしている。選手たちは、新たな歴史の扉を開くために、すべてを懸けて戦っていく。