【大森学園】 「今誇れ」

2020年夏の独自東東京大会でベスト4
今年の3年生は2021年入学の最強世代

 2020年夏の独自東東京大会で初のベスト4を果たした大森学園。3学年合わせて90人の大所帯となったチームは「今」を大事にして東東京の頂点を目指す。

■東東京最大規模の部員数  

下町の雄・大森学園は、コロナ禍開催の2020年夏の独自東東京大会で進撃をみせて44年ぶりのベスト4へ進出した。選手たちの力強いプレーは色あせていない。今年の3年生35人は、あの“夏”をみて入学してきた選手たち。チームは2021年春にベスト8となったが、翌春には33人の選手たちが門を叩いた。2・3年生合わせて68人。今春にも20人を超す選手が加わり、部員数は90人以上となった。大森学園は、野球グラウンドがなく平日はダイヤモンド2面ほどの校内の人工芝校庭でトレーニングに励むが、グラウンドでの“選手密度”は都屈指となっている。選手たちは部室棟の階段など、使える場所はどこでも利用して、創意工夫で練習メニューをこなす。

■生徒が主役の指導にシフトチェンジ  

チームをマネジメントするのは、東海大菅生出身の石黒隼監督だ。2020年夏まで和泉隆前監督(現助監督)が指揮を執り、同年秋に石黒監督にタスキが渡った。コロナ禍だったが、新指揮官はYouTubeなどを活用してオンラインで選手を指導。指揮官は、時代に適応した指導にシフトチェンジしながら、選手のやる気を高めていった。石黒監督の熱意と選手の情熱によって、選手たちは着実に進化。昨夏は4回戦で帝京と対戦して2対9で敗れたが、大きな手応えをつかんだ。今年のチームは、帝京戦を経験した木倉悌主将(3年=内野手)、榊原雅哉(3年=捕手)、籾山寛大(3年=外野手・投手)、湯川翔太(3年=投手)がそのまま残る経験値の高い世代。夏へ向けて期待は高まる。

■全員野球で東東京の頂点へ  

東東京を勝ち上がるには、投手陣の安定が必須だ。今年のチームは、最速140キロの本格派右腕・エース湯川、投球術に長けた実戦派左腕・籾山、そして制球力で勝負する大型右腕・西村柚哉(3年)の3本柱が確立され、守備はショートストッパー木倉主将らが堅実なプレーをみせる。近年の大森学園は、爆発的な攻撃力のイメージが強いが、今季はディフェンス面からゲームを組み立てられるのが強み。選手たちは今年のスローガンを「今誇れ〜一人一灼全員主躍〜」と定めて、全員野球で東東京の頂点を目指す。木倉主将は「部員の多さが大森学園の武器。チームのポテンシャルはどこにも負けない。今年の夏はベンチ、スタンドを含めた総力戦で戦って初の甲子園を目指す」と夏へ向かう。大森学園の選手たちは、今を生きることで、甲子園という未来を描いていく。

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