2022年夏にベスト８進出
冬トレでひと回り成長したチームに期待
2022年夏にベスト８へ進出した足利大附。先輩たちの情熱を引き継ぐチームは、８強を乗り越えて栃木の頂点を目指していく。
■先輩たちが残した財産
昨夏は大きな戦果を残した。プロ注目のエース小林央典（卒業＝仙台大進学）を軸にしたチームは２回戦で、優勝候補・白鴎大足利と激突した。下馬評は、相手有利の見方が強かったが、選手たちがたくましいプレーをみせた。３回に２点を先制したものの６回までに２対３となる展開。足利大附は７回に３点を奪って逆転すると、エース小林が相手の反撃を封じて５対３で逃げ切ってみせた。チームは３回戦で足利工と戦い、クリーンアップを軸に３点を奪うと、小林が８安打２失点の完投勝利で３対２と勝利。４年ぶりに夏ベスト８へ進出した。荻原敬司監督は「先輩たちが“大きな財産”を残してくれた。あの戦いをみた今年の選手たちがしっかりと引き継いでいかなければいけない」と話す。
■一生懸命に努力できる世代
前チームは投打の核が揃っていたが、今年のチームは秀でたプレーヤーは少ない。だが、全員が一生懸命に努力できるという。オフシーズンの補食によって体はひと回り成長、戦える土台が仕上がってきた。指揮官は「チーム力は、『足し算』ではなく『掛け算』。束になって戦っていくことで、実力以上のものが発揮される。個人の力の掛け算で勝ち上がっていければ」と期待を寄せる。今春には、中学時代に実績を残した１年生も加入。新戦力がチームに刺激を与えている。小山城南中で関東大会優勝を経験した小池源司（１年＝投手）が「しっかりと体を作って夏から投げられるように準備したい」と話せば、佐野リトルシニアで全国16強となった新井悠士（１年＝捕手・投手）は「自分が一番成長できるチームだと思って入学した。（足利大附の）先輩たちの結果を超えていきたい」と意気込む。
■チーム強化の方程式を実践
權田渉梧主将（３年＝内野手）は、今年のチームを「守備型」と表現する。佐藤煌（３年＝内野手）と權田主将の三遊間を軸に、攻撃的なディフェンスを展開。２年生エースの川上蒼空が打たせて取るピッチングでリズムを作り、攻撃へつなげていく。打線は、クリーンアップ星光希（３年＝捕手）、齋藤海空斗（３年＝内野手）が破壊力をみせていく。籾山要（２年＝外野手）、増山隆太（２年＝内野手）の１・２番コンビは機動力があり、打線の起爆剤となる。昨秋は１回戦で矢板中央に勝利したが、２回戦で足利に敗れて行く手を阻まれた。夏の巻き返しを狙う權田主将は「秋は大会の難しさを感じました。夏は全員野球で戦って最高の結果を残したい」と夏へ向かう。チーム強化の方程式を実践する足利大附は、最高の解（かい）を導くために全力を尽くす。
