【清水桜が丘】  「誇りを胸に感謝でプレーを」

5年ぶりの秋県大会では力不足を実感
気持ち新たに成長を誓う

昨秋に5年ぶりの県大会へ出場した清水桜が丘。地力をたくわえるチームは誇りを胸に飛躍を誓う。(取材・栗山司)

■名門を下して5年ぶりの県大会

今夏、上位進出を狙う清水桜が丘。ベテランの近藤靖監督のもと、着々と実力をつけている。  昨年の秋は県予選で春夏通算15度の甲子園出場を誇る静岡商を撃破。先制点を許したものの、終盤に逆転した。投げてはエースの山田翔生(3年)が粘り強く投げ抜いて2失点完投。「あの試合はストレート、スライダーともに良くて、キャッチャーとも息が合っていた」と振り返り、主将の小笠原蒼悟(3年=外野手)もまた「山田が踏ん張ってくれて、全員が一つになることができたことが大きかった」と勝因を語る。

■新たなスローガンを作成

続く5年ぶりに出場した県大会では初戦敗退。6失点を喫し、打線も繋がらなかった。  県大会での反省を踏まえ、冬は「もう一度原点に立ち返ろう」と基本練習を徹底してきた。打撃に関しては春から新規格のバットに変更されることも見据え、昨年まで時間を費やしてきたロングティーをなくし、約40メートル先を狙うティー打撃に特化。コンパクトにスイングすることを意識していった。近藤監督は「野手の頭を越すのではなく、間を抜いていくイメージで取り組ませてきた」と話す。  さらに、選手たち自身で「誇りを胸に感謝でプレーを」という新たなスローガンを打ち立て、グラウンドの三塁側に横断幕を掲げた。「桜が丘でやる誇りを胸に持ち、色々なことに感謝することが大事だと思って作りました」(小笠原)。

■目標は県ベスト8以上

今年の中心は4番打者の小笠原。単打だけでなく、長打も秘める強打者だ。中学時代は「静岡葵ボーイズ」で活躍し、県選抜に選ばれた実績を持つ。「高校に入ってから野球の技術面はもちろん、周りを見る力がすごくついたと思う」とキャプテンシーを発揮している。  その小笠原を副主将として支えるのが久保田慶(3年=遊撃手)。50メートル走を6.1秒で駆け抜ける俊足でトップバッターを務める。今年NPBの2軍戦に参入する「くふうハヤテベンチャーズ静岡」の初代主将を務める高橋駿とは親戚の間柄。「小さい頃から体作りのことや、バッティングのタメの作り方を教わってきました。駿さんも頑張ると思うので自分も結果を出したいです」  また、投手陣の成長も著しい。山田だけでなく、昨秋の県大会で先発した岸本晃葵(3年)に、近藤監督が「夏までに化けてくれたら面白い」と期待する長身の金井直翔(2年)も控える。  目標に定めるのは県ベスト8以上。小笠原が「自分たちの一番の持ち味」と胸を張る「結束力」を高めて突き進む。

 

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