新戦力台頭、2年連続18度目の春優勝
昨秋に続く2季連続栃木制覇
作新学院が春季栃木県高校野球大会決勝で文星芸大附に延長11回の激闘の末、5対3で勝利した。2年連続18度目の春優勝で、昨秋に続く2季連続県制覇となった。
■昨夏の敗戦が勝利の原動力
昨夏の敗戦が、勝利の原動力となっている。昨秋は、武藤匠海、磯圭太、高森風我らの打撃陣と、川又楓、小川哲平ら投手陣を軸に戦い、県大会を制した。関東大会では1回戦で駿台甲府に勝利して準々決勝へ。専大松戸との対戦は3対4で逆転負けを喫したが、その戦いぶりが評価されて関東5枠目での選抜大会出場が決定した。選抜大会では2回戦で大分商に8対6で逃げ切り。3回戦・英明戦では終盤の猛攻撃によって9対8で逆転勝利。準々決勝では山梨学院と対戦し3対12と力の差を見せつけられたが、選抜大会優勝チームとの対戦は選手たちの血肉となった。
■メンバーを刷新しての春大会
選抜大会を終えて迎えた春大会。武藤、磯、川又、小川らは秋の主軸は、登録されなかった。選抜大会の休養かどうかは分からないが、メンバーを刷新しての戦い。新戦力でトーナメントに臨むと準々決勝で宇都宮商に4対2で競り勝ち、準決勝では、選抜大会21世紀枠出場の石橋を20対3で撃破した。決勝は、文星芸大附。名門対決は、3対3のまま延長へ突入して10回から延長タイブレークへ。11回に2点を奪って、5対3で競り勝った。選手たちは、春にしては珍しく、マウンド上で喜びを爆発させた。
■春制覇を弾みに夏の王座奪還へ
秋と春でメンバーを入れ替えて戦った作新学院。秋の主軸が“不在”でも新戦力が力を発揮して頂点に立ってしまうのは底力だ。チーム全体の経験値が高まり、底上げにつながったのは確か。一見、荒治療のように見えるがこれも計算されたチーム強化の戦略か。作新学院は昨夏の準決勝で国学院栃木にサヨナラで敗れて夏制覇が10連覇で止まった。王座奪還を懸けるチームは、秋・春を経て夏にどんなメンバーで挑むのだろうか。熾烈な競争が、チームを強くしていくことは間違いない。