【高根沢】 「成信力」

2021年秋の県大会でベスト4進出 2
年生9人、1年生5人の新たな挑戦

 2021年秋にベスト4へ進出し周囲を驚かせた高根沢。2023年のチームは部員数が限られる中でも先輩たちの意志を引き継ぎ、さらなる飛躍を目指していく。

■2021年秋は48年ぶりの4強進出

 高根沢は2021年秋に進撃をみせた。シードを決める交流戦決勝で白鴎大足利から金星を奪う。薄羽啓之(現引退)、馬崎徳仁(現引退)、猪瀨空(現2年)の左腕投手陣の継投による下克上は県大会でも続いた。2回戦で県立実力校・足利工、3回戦では伝統校・小山に勝利。そして準々決勝では国学院栃木と対戦。選手層、戦力は相手が上だったが、エース左腕薄羽が執念のピッチングで粘り強い戦いをみせると5対3で勝利。48年ぶりのベスト4進出となった。殊勲の結果を残したチームは大会後に21世紀枠県候補に選出されるなど学校、地域に勇気を届けた。

■野球を楽しみながら努力する  

勝ち続けるのは難しい。2021年秋に躍進を遂げたチームは昨春、夏にいずれも初戦敗退。3年生が引退し、2年生9人、1年生5人の新チームへと移行した。就任3年目の田村優風監督は、チームに新たな指針を掲げた。高根沢OBから教えてもらった言葉で、かつて代々引き継がれてきたものという。成功を信じる力「成信力」、周囲に喜びを届ける「他喜力」、苦しいことを楽しむ「苦楽力」。指揮官はチームに根付く3つの言葉を、選手たちと共有してチーム強化に励む。田村監督は「野球を楽しみながら、みんなで努力していくことが大切。勝利を信じて戦っていく」と前を向く。

■もう一度、あの場所へ  

今年のチームも、前チームに負けないポテンシャルを秘めている。骨太サウスポーのエース猪瀨を軸に、前チームからレギュラーだった竹井弥月(2年=内野手)、福山翔大(2年=内野手)らが攻守の要となり、チームの土台を構築。1年生大会(連合チーム参加)で好投した気鋭右腕・熊崎晶も力を伸ばしチーム力は高まる。須藤奎登主将(2年=内野手)は「2021年秋にベスト4に入ってからチームは勝てていない。選手個人の力はあるので、チームとして戦うことでもう一度、勝ち上がりたい」と冬のトレーニングに励む。年末の強化練習では、選手全員が内野で走りながらゴロ捕球を行う「コロンビアノック」を繰り返し、徹底的に心技体を鍛え上げた。ミスした選手をカバーし叱咤激励することでチームの絆も深まった。もう一度、あの場所へ。高根沢は、成功を信じて、戦い抜く。

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