「2020年夏 大会レポート 早稲田実」  感謝 #早稲田実業

「この大会で恩返しをするんだという気持ちでした。たくさんの方々に感謝したい」 梅村大和主将
「高野連、学校関係者の方々に、まずは感謝したい」 和泉実監督
「(公式戦初本塁打は)インコースをうまく打てた」清宮福太郎

2020夏季西東京都大会 準々決勝 8月3日

早稲田実 0 0 0 0 1 0 0 0 0  1
国士舘  2 0 1 0 0 1 0 0 0  4

一戦ごとに成長遂げた選手たち。特別な夏の経験をこれからの人生へ

早稲田実がこの夏、投打に迫力ある戦いをみせた。

準々決勝では国士舘に屈したが、選手たちは、たくましく成長していった。

2020年9月号掲載
(取材・三和直樹/撮影・花田裕次郎)

■ 強力打線を軸に準々決勝進出

早稲田実の夏が終わった。

初戦、八王子との熾烈なシーソーゲームで勝利し、勢いに乗った。

一戦ごとに成長したチームは、破壊力ある打線と巧みな継投によって勝ち上がると、準々決勝・国士舘戦を迎えた。

3回までに3点のリードを許した。

ここまでの4試合で計31得点を奪った強力打線・早稲田実は、「低めに丁寧に投げることを心がけた」という国士舘のエース・中西健登の強気かつ巧みなピッチングの前に4回まで2安打無得点に押さえ込まれた。

5回表に2死から8番・田和廉のヒットの後に9番・石郷岡大成が「相手は秋のチャンピオン。燃えるものがあった」と力強いスイングで右中間を破るタイムリー三塁打を放って1点を返した。

だが、その後は「早実は憧れのチーム。甲子園での戦いも見ていましたし、気持ちが入った」という中西の気迫のピッチングの前に打線が沈黙して計8三振。

中西と中学時代にチームメイトだった4番・清宮福太郎も内野安打1本のみに抑え込まれ、1対4でゲームセットの時を迎えた。

■ 後輩たちに託す甲子園の夢

負けて悔いなし。

限られた環境で、選手たちはベストを尽くした。

「国士舘はチームとしての一体感を感じました。

もう少しやれるかなと思ったが、自分たちのバッティングをさせてもらえなかった」と和泉実監督。

梅村大和主将も「いつも通りの戦いができなかった」と反省の弁を述べたが、その表情は晴れやかだった。

コロナ禍による自粛期間中は練習ができず、授業もなし。

なかなか顔を合わせられない中、ZOOMなどのウェブ会議ツールを使って部員同士の意識を確かめ合った。

夏独自大会の開催自体も危ぶまれていただけに、和泉監督は「負けて終わることができる」と晴れやかな表情をみせた。

卒業する3年生たちに向けて、「自分の中でしっかりと区切りを付けて次に向かうことができるのは良かった。

今年はいろいろな部分で制約があったが、これからはそういう制約がある中で、どう自分の良さを出していくのかという世の中になる。

この経験を次に生かしてもらいたい」とエールを送った。

早稲田実にとっては、秋以降の新チームに期待が高まる。

今大会で注目を集めた4番の清宮だけでなく、2番手で好投した田和、この日チーム唯一のタイムリーを放った石郷岡と楽しみな2年生が揃う。

梅村主将は「清宮は明るいキャラクター。

次は、清宮と田和、石郷岡が中心になって、甲子園に行ってもらいたい」と、後輩に夢を託す。

自分たちで考え、実践する。

この経験は必ず、次へ。

来夏、さらにたくましさを増した“早実野球”を見ることができるはずだ。


早稲田実業学校

【住所】東京都国分寺市本町1-2-1
【創立】1901年
【甲子園】50回(春21回・夏29回)
2006年には斎藤佑樹(日ハム)を擁して選手権大会初優勝。野球部OBに王貞治、清宮幸太郎(日ハム)、野村大樹(ソフトバンク)など。

【2020年戦績】
1回戦 8-6 八王子
2回戦 5-0 八王子実践
3回戦 11-1 府中西
4回戦 7-0 明大中野八王子
準々決 1-4 国士舘

【過去の戦績】
2019年準々決 2-6 国学院久我山
2018年4回戦 6-7 八王子
2017年決 勝 2-6 東海大菅生

1 菊池笙太郎
2 山元 大希
3 西口 純生
4 北村 広輝
5 梅村 大和
6 中原 由信
7 清宮福太郎
8 佐渡  楓
9 宇野竜一朗
10 田和  廉
11 三ツ木彩文
12 高橋 浩成
13 清水 将仁
14 檜谷 直希
15 平尾 晟登
16 松永 賢三
17 國光 廣太
18 石郷岡大成
19 倉光  条
20 壽田 悠毅

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