【堀越】  「堀越健児たれ!」

春夏計10度の甲子園出場を誇る伝統校
黄金時代を知るOB指揮官就任で高まる期待

春夏計10度の甲子園出場を誇る伝統校・堀越。復活を懸けるチームは昨秋にOB指揮官が就任。新たなスタートを切った堀越は「日本一良いチーム」を目指して再起を誓う。

■昨夏は3回戦で二松を撃破

春夏計10度の甲子園出場を誇る伝統校・堀越は、1969年春の選抜で準優勝を果たすなどの実績を誇る。井端弘和氏(元中日、巨人=現侍ジャパン監督)、岩隈久志(元楽天、マリナーズなど)、野村克則(元ヤクルト、阪神)らの母校で、井端氏が在籍した1992年春、1993年夏に甲子園に出場している。1997年夏を最後に甲子園には出場できていないが、2022年夏には東東京大会ベスト8へ進出、昨夏は3回戦で優勝候補筆頭の二松学舎大附を撃破するなど底力を発揮している。学校は中野区だが、八王子市の練習場で練習に励むチームは、自身に打ち克つことで活路を見出していく。

■堀越全盛期を知るOB指揮官

昨秋には指導体制が変わった。昨夏まで指揮を執った小田川雅彦監督が勇退し、OBの野口晃生監督が就任した。社会人ローソン、シダックスでプレーし現役を引退、一般企業(ローソン)に勤めていた野口監督は、井端氏の1学年後輩で、1993年夏の甲子園を経験している。OB会長を務める井端氏らの推薦を受けて会社を辞して母校再建のためにグラウンドに立つ。約30年ぶりに母校へ戻った野口監督は高校時代の教えである「想は力なり」「平常心無敵なり」という言葉を軸に人間的な土台構築を目指す。野口監督は「シダックスで野村克也監督の指導を受けたときに『野球人たる前に社会人たれ』という言葉を教えてもらった。母校に戻った今は『野球人たる前に堀越健児たれ』と伝えている」と語る。

■甲子園出場にふさわしいチームへ

昨夏に二松学舎大附を撃破したチームだが、昨秋の新チームでは予選決勝で工学院大附にコールド負けを喫して都大会出場を逃した。ゼロからの出直しを図るチームは、基本を徹底しつつ「日本一良いチーム」を標榜する。「まだ日本一強いチームにはなれないが日本一良いチームにはなれる」(野口監督)。チームは攻守の要である築野陸主将(2年=捕手)を精神的支柱にして日々の練習に向き合う。築野主将は「部員全員で同じ方向に進むことが大切。秋時点での堀越は、一番弱いチーム。春・夏に結果を残せるように全員で戦っていく」と団結を誓う。新監督のもと一つになる堀越は1997年以来の甲子園を目指して、甲子園出場にふさわしいチーム、選手へと変貌を遂げていく。

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