交流戦で勝ち上がり秋季県大会シード権
部員17人、小山エリアのダークホース
小山北桜が今秋の交流戦で勝ち上がり秋季県大会のシードとなった。1・2年生で計17人(マネージャー3人)のチームは、成功体験を積み上げることで強くなっていく。
■秋の交流戦で金星を挙げた
交流戦で“番狂わせ”が起きた。小山北桜が、宇都宮短附に勝利して秋季県大会のシードを獲得した。就任2年目の菅原祐貴監督は「8月の交流戦はどのチームもまだ仕上がっていないですから」と控え目に話すが、選手たちには大きな自信となった。今夏の1回戦で小山北桜は、宇都宮短附と対戦して4対7で敗れていた。新チームとなった8月25日の交流戦で再び対戦したが、小山北桜は福田修士(2年)が粘り強いピッチングをみせると6回まで2対2でゲームを進めた。7回表に1点を奪われて2対3となったが選手たちは気落ちしなかった。
■チーム全員でつかんだ勝利
7回裏に一死1・2塁のチャンスを迎えると4番・中村翔(1年=内野手)がライトへタイムリー二塁打。ふたりの走者がホームに還って逆転に成功した。当初のプランでは、福田からサウスポー永吉仁太(1年)への継統を考えていたが、続投を選択。福田は8回にスコアリングポジションにランナーを進められたが、粘りの投球で耐えた。9回には、須藤慶大(1年=捕手)が無死1塁から盗塁を刺して流れを断ち切り、4対3で守り抜いた。タジャンラゲット・カー主将(2年=内野手)は「チーム全員でつかんだ勝利です」と振り返った。
■1996年秋県大会優勝の伝統校
小山北桜は、1996年に秋季県大会で優勝し関東大会へ出場した実績を持つ。野球部OBは髙谷裕亮(元ソフトバンク=現コーチ)で、髙谷在籍時は夏ベスト8まで進出した。当時は多くの部員がいたが、時代の流れとともに減り2021年秋の新チーム時には3人だけとなった。現在の選手は1年生7人、2年生7人。野球が好きな選手たちは力を合わせて練習からチームを盛り上げている。菅原監督は「野球初心者もいるチームですが、みんなが頑張ってくれている。高校野球を通じて一つでも多くの成功体験を得ることが、大学や社会など次のステージへつながっていくと思います。結果よりも大事なことを伝えていければと考えています」と話す。選手たちは、喜びを積み上げていくことで、たくましくなっていく。