100年以上の歴史を持つ伝統校
甲子園を目指し燃えて輝く
1939年に選抜出場した実績を持つ栃木商。今季のスローガンは「燃輝(しょうき)」。1917年創立で100年以上の歴史を持つ伝統校は、甲子園を目指して、燃えて、輝く。
■地域の期待を背負うチーム
栃木商に新たな風が吹いている。1939年に選抜出場した伝統校・栃木商は、夏大会で2度の優勝、5度の準優勝の実績(当時は北関東大会出場)を持つ。過去20年では2003年夏に4回戦へ進出しているが、その後は3回戦が最高位。昨年は春、夏、秋大会で2回戦敗退となり大会2勝を挙げられていないものの、夏は1回戦で足利工に勝利、秋は1回戦で真岡工という実力校を撃破している。敗れた2回戦の試合内容は決して悪くなく、その壁を越えれば次のステージが見えてくる。必要なのは、接戦を勝ち抜く力。地域の期待を背負うチームは、壁を突破すべく地力を蓄えている。
■選手起用などの基準を明確に
選手たちに寄り添うのは、2021年4月から指揮を執る大山正人監督だ。OBの藤掛由樹部長とともに指導に励む指揮官は、宇都宮商出身。大学卒業後に教員となり高根沢、真岡北陵での監督を経て2019年に栃木商着任。部長を経験して2021年4月に監督となった。指揮官の現役時代から環境は変わった。大山監督が心掛けているのは、ミスや失敗を責めないこと。そして結果や貢献度に応じたポイント制度を採用、出塁率などのデータを明確に打ち出していく。それが選手起用などの基準となる。大山監督は「選手たちは、10年後に、少年野球などの指導者になる可能性がある。大事なのは野球を好きでいてくれて、次世代へつなげていくこと。過去の常識を疑って、常にアップデートしていってほしい」と話す。
■万全の準備で巻き返しを誓う
選手たちが決めた今年のチームスローガンは、「燃輝(しょうき)〜燃えろ 輝け 栃商野球部〜」。情熱を燃やして、それぞれが輝くことで、勝機を手繰り寄せていく。今年のチームは、羽石大翔主将(3年=内・外野手)、エース石川文也(3年)を軸にして守備からリズムを作っていく。さらに日々の練習から努力を惜しまない岩出心(3年)らが攻守の役割を果たしていく。昨秋大会2回戦では主力が体調を崩すなど本来の力を発揮できなかった。選手たちは巻き返しを誓って春・夏へ向かう。羽石主将は「春大会でベスト8に進出して夏は甲子園出場を目指す」と飛躍を誓う。栃木商は伝統と地域の力を追い風にして、夏の大空へ飛び上がっていく。