【慶應湘南藤沢】「超戦」

2015年春にベスト16進出
史上最強世代の呼び声高い投打のバランス

慶應義塾大の湘南藤沢キャンパス内に位置する慶應湘南藤沢高等部。攻撃野球を追求するチームは、虎視淡々と金星を狙っている。

■秋2回戦の敗戦スコアを掲示  

慶應湘南藤沢のグラウンド横ネットには、昨秋県大会2回戦の対藤沢翔陵のスコアが大きく掲示されている。藤沢翔陵とは昨秋地区予選でも対戦して4対5で惜敗。迎えた県大会でも2回戦でぶつかり、ゲーム終盤まで3対2とリードしながらも8回に2点を奪われて逆転を許すと3対4で屈した。木内義和監督は敗戦直後に、藤沢翔陵・川俣浩明監督に連絡し合同練習を申し込んだという。木内監督は「自信があるチームだったのですが終盤に逆転されてしまって…、見えない“壁”を感じました。合同練習では川俣監督と翔陵の選手たちから学ばせてもらいました」と明かす。そしてグラウンドにスコアを掲示、選手たちの脳裏に悔しさを焼き付けた。

■SFC史上最強世代  

今年のチームは、慶應湘南藤沢史上最強世代の一つ。山本勇太主将(3年=内野手)、中川元(3年=捕手)、山下慶悟(3年=外野手)、岩下裕生(3年=内野手)らが昨夏4回戦の東海大相模戦を経験。どこからでもホームランが飛び出す打線に仕上がりつつある。エース齊藤眞俊(3年)のキレと安定感も増し、投打のバランスが整いつつある。昨年11月には、慶應義塾高1.5軍と練習試合を行い12対0で勝利したという。指揮官は「監督になってトータルで15年が経過していますが、練習試合でも勝ったのは初めて。今年のチームは、歯車がかみ合えば上位校に勝利する力があります」と手応えを感じている。

■BEYOND SFC  

慶應湘南藤沢は2015年春にベスト16へ進出し、初のシード権を獲得した実績を持つ。部訓は「視野を広げよう」「違和感に気付こう」「行動しよう」。木内監督が考案したもので、野球だけではなく学校生活でも3つを意識させている。今年のチームのスローガンは「超戦」。山本主将は「自分たちで考えてプレーしていくことで成長できる。僕らは昨夏から試合に出ているので経験値が強み。ベスト16を超えて勝ち上がっていきたい」と話す。BEYOND SFC。選手たちは、過去最高のベスト16、そして自分たちの限界を越えていく。

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