学校の中の“甲子園”を目指す都立名門
2014年春に都立初の選抜出場の実績

2014年春に都立初の選抜出場を果たした小山台。2018、2019年夏に2年連続で東東京大会準優勝となったチームは、初の夏甲子園を目指して邁進する。

■限られた環境で目指す甲子園

都立として昨今の実績は際立っている。2014年には、21世紀枠によって都立初の選抜出場を果たした。都屈指の進学伝統校。校舎が定時制と共用のため午後5時完全下校。選手たちは午後3時半すぎにグラウンドに集まり、限られたスペース、限られた時間で練習に励む。無駄にできる時間は1分もない。3学年合わせて約70人の選手たちは、グループに分かれて効率的にメニューをこなす。2018、2019年夏には進撃をみせて2年連続で東東京大会準優勝。決勝戦では勝てなかったが選手たちは完全燃焼。さわやかな笑顔で球場をあとにした。今の選手たちは、それらの戦いを知って門を叩いた精鋭たち。小山台の環境から、遥かなる甲子園を目指す。

■「1に生活、2に学業、3に野球で甲子園」

福嶋正信監督は文武両道を追求している。小山台は「1に生活、2に学業、3に野球で甲子園」を指針にして行動する。選抜出場記念碑には「生活の中に野球あり 野球の中に人生あり」と刻まれ、学校や自宅での「生活」の重要性を説いている。各大会で結果を残す一方で、選手たちは難関国立・私立大に続々と合格して文武両道を実践、小山台の矜持を示している。福嶋監督は「生活が整えば、勉強も野球も伸びていく。学校の中の甲子園を目指すことが、野球そして人生の甲子園につながっていく」と語る。

■“都立の横綱”として甲子園へ

今年のチームは、切れ目のない打線が特長だ。都屈指のリードオフマンの岡村ルカ(2年=内野手)が攻撃のスイッチを入れて、柏木健吾(3年=内野手)、笹谷亮斗主将(3年=外野手)の主軸へつなげていく。下位も個性が光り、どこからでも得点が奪える打線となっている。福嶋監督も「打撃に関しては歴代最高に近い」と目を細める。投手陣は、舘野遥陽(3年)、高橋昊汰(3年)が、夏に向けて球威、制球力を高めて、躍進の準備は整った。笹谷主将は「新基準バットになったが、低い打球を意識してチームとして対応できている。秋、春の課題はゲーム終盤。接戦を勝ち抜く戦いで甲子園を目指したい」と話す。春の結果によって、今夏の東西東京大会は、都立シード校が不在。小山台は、“都立の横綱”としてノーシードから頂点へ駆け上がっていく。

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