昨夏の西東京大会でベスト4へ進出
毎週末の学内強化合宿でチーム団結

昨夏の西東京大会でベスト4へ進出した明大八王子。今春には運動部合宿所がリニューアルされるなど環境が整うチームは、悲願の甲子園へ突き進む。


■4月からは週末に学校で全体合宿

2000年、2005年に西東京大会で準優勝となった明大八王子。OBの椙原貴文監督が指揮するチームは2021年春・夏にベスト8に進出するなど、甲子園出場へのルートを再び開拓している。チーム強化を進める一方で、環境も整ってきた。学校近くに位置する運動部合宿所がリニューアルされて、今年は3学年で15人が入寮して文武に励む。4月からは週末に学校で全体合宿を実施して、練習時間を確保すると共に一体感を養ってきた。6月中旬からは夏大会メンバーを中心に直前週末合宿を敢行し、メンバー外選手のサポートを受けながら大会への準備を進めている。


■すべては初の甲子園出場のため

椙原監督が選手たちに伝えているのは「だれかのために」。夏の登録メンバーは20人。大会直前はメンバー中心の練習となるが、周囲のサポートなしでは練習は進まない。指揮官は「3人称の人たちのために頑張ることで強くなれる。最後の夏は自分のためだけではなく『だれかのために』プレーしなければいけない」と語る。6月下旬からは、ノーエラーで27個連続のアウトを積み上げ、ミスすれば1からやり直しの「27ノック」を行い、選手の集中力を高めた。ノックは2時間以上に及ぶこともあったが、やりきったあとに指揮官と選手が涙を流したときもあったという。すべては甲子園のため。明大八王子は、本気で聖地を狙っている。


■投手陣を軸に投打のバランス充実

 今季のチームスローガンは「初志貫徹」。部員たちは野球部入部時、そして新チーム始動時の高い志を胸に甲子園出場へ邁進していく。チームは本格派右腕エース渡邊純真(3年)と、アンダースローの上原和玖(2年=投手・内野手)の投手陣が安定。ロースコアでゲームを進めて、リードオフマン小薗卓也(3年=外野手)、3番・上原、4番・藤澤陸主将(3年=内野手)が勝負所で役割を果たしていく。夏開幕を前に、学年の枠を越えた熾烈なレギュラー争いが勃発。その刺激がチームを強くしていく。藤澤主将は「自分たちの代で甲子園に行くために、みんなでキツい練習を乗り越えてきた。支えてくれる人たちのためにプレーして結果をつかみたい」と力を込める。西東京の頂点は見えている。選手たちは、山頂へ向かって情熱という名のザイルを打ち込んでいく。

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