
選抜決定 二松学舎大附
2年ぶり8回目選抜出場
秋都大会決勝で早稲田実に競り勝ち優勝
投打の戦力が評価されて選抜出場決定
1月24日、第97回選抜高校野球大会の選考委員会が開催され、昨秋の東京都大会を制した二松学舎大附が2年ぶり8回目の出場を決めた。吉報を受けた選手たちは、全国制覇を目指して“春の聖地”へ乗り込んでいく。(取材・松井裕一)
■秋都大会優勝で選抜切符手中
秋季都大会優勝の二松学舎大附は選抜出場が確実視されていたが、切符が届くまでは現実にはならない。選考当日、部員たちは校舎内の教室で、やや緊張の面持ちでインターネットLIVE中継を視聴しながら結果を待った。「東京地区は二松学舎大附属高校を選考しました」。午後3時50分ごろに吉報が届いたものの選手たちの表情はほぼ変わらず、粛々と出場決定を受け止めた。選手たちの後ろでその様子を見守っていた市原勝人監督から「決定しました。喜んでいいぞ」と声を掛けられ、ようやく笑顔を見せた。
■「全員野球」を体現できるチーム
選考理由として攻撃では都大会6試合で2桁安打を記録し、3試合でコールド勝ち、犠打・盗塁などの多彩な戦いを見せ、投手陣の一戦ごとの成長も評価された。準々決勝で左腕・甲斐虎茉輝が日大三相手に1失点完投勝利を収め、準決勝・帝京戦で先発した河内紬は8回途中まで無失点に抑え、決勝(対早稲田実)では及川翔伍の4回から9イニングの好救援など投手陣の高評価が選考委員からアナウンスされた。
昨夏のチームは片井海斗ら規格外のスラッガーが存在したが、準決勝で関東一に屈して甲子園には届かなかった。今季はスター選手こそいないが、攻守のバランスが整い「全員野球」を体現できるチーム。失点直後の攻撃で得点するイニングが多いことも特長だ。市原監督は「突出した選手はいないが、逆にムラがなく安定感がある。追い込まれてもしぶとさが見えた」と評価する。
■東京代表としていざ全国制覇へ
昨秋の都大会序盤は接戦をものにし、そして準々決勝では日大三に計12安打、8得点、帝京との準決勝でも計11安打、8得点し、ともにコールド勝ち。早稲田実との決勝は延長12回裏に一死満塁から根本千太郎が決勝スクイズを決め、6対5のサヨナラで21年ぶり3回目の秋頂点に立った。東京代表として出場した明治神宮大会では1回戦で東洋大姫路に敗れたが、選手たちは全国強豪の力を把握しレベルアップに励んだ。
市原監督が「昨夏の甲子園では同じ東京勢の関東一が準優勝をしたので、選抜は東京1位校として臨み、優勝を目指す。選手たちもそういう気持ちだと思います」と語れば、主将・日笠雅凰は「監督の現役時代の選抜準優勝(1982年)を超えて優勝したいです!」と力強く語った。二松学舎大附は、東京1位のプライドを胸に紫紺の優勝旗を目指す。
日笠雅凰主将 コメント
先輩たちの想いを背負って戦いたい
「自分たちのチームは、気持ちを前面に出す強さはどこにも負けないことが持ち味です。冬場は1.2キロの重さのバットで1日に連続ティー打撃を10球×100セット、計1000スイングを実行し、スイングの強さはチーム全体として上がったと思います。自分たちが入学してからは、初めての甲子園出場。これまでの先輩たちの分まで頑張りたいです」



