秋予選は2勝1敗で無情の敗退
チャレンジャーとして挑む春・夏
2020年秋ベスト8、2021年夏4回戦進出となった県立実力校・白山。新チームの昨秋は地区予選でまさかの敗退。選手たちは白山のプライドを懸けて春・夏の巻き返しを誓う。
■予選最終戦の勝利後に悔し涙
昨秋は、悔しい結果になってしまった。地区予選で川和、生田、橘の公立実力チームが揃うブロックに入った白山。新チーム最初の公式戦で橘と対峙したが、緊張からか自分たちの力が発揮できずに2対15で完敗を喫した。初戦大敗で目が覚めたチームは、2、3戦目で勝利し2勝1敗となったものの、橘、川和、白山が共に勝点6で並んだ。得失点差によって3位となり予選敗退が決定した。選手たちは、最終戦に勝ったが、悔し涙を流した。予選敗退は2017年以来の出来事。白山の“秋”は、8月で終わってしまった。前チームからAチームだった小杉亮(3年=内野手)は「先輩たちに申し訳ない気持ち。これからの結果で返していくしかない」と前を向く。
■「朝の読書」「掃除」「オンライン野球日誌」
長い秋を迎えることになったチームだが、昨年10月から今年3月までグラウンド改修工事となったため、コロナ禍も重なり、練習が大きく制限された。チームは、学校近くの長坂谷公園グラウンドでトレーニングを積む一方で、朝練習の代わりに「朝の読書」「掃除」「オンライン野球日誌」に取り組み、心の成長へつなげた。白山は2020年3月まで村田浩明前監督が指揮を執り、母校横浜監督就任のために学校を離れた。そのあとを引き継いだ尾形裕昭監督は、伝統を継承し、さらに進化させるために選手に寄り添った。決して簡単なミッションではなかったが、村田前監督の教え子で2018年夏ベスト8チームの主将だった山村皓遥さん(大学新4年)が学生コーチとしてバックアップ、さらに村田前監督の中学・大学時代のチームメイト豊田晋平さんをはじめ、外部コーチやトレーナー、教職員などたくさんの人のサポートを受けている。尾形監督は「白山は多くの方々に支えてもらっている。感謝を忘れずに精一杯、野球に向き合っていかなければならない」と引き締める。
■試練は成長のチャンス
今年のチームは、攻守の要・小杉がゲームキャプテン、精神的支柱の内海光琉(3年=内野手)がチームキャプテンとなるダブル主将制。新3年生20人、新2年生24人とコミュニケーションを図る内海主将は「秋予選敗退の現実を受け止めてチャレンジャーとしてチーム全員で成長していきたい」と雪辱を期す。チームは、小杉、松本脩汰(3年=外野手)のクリーンアップ、リードオフマン中村爽人(3年=内野手)を軸に打撃力を伸ばす。投手陣は、エース山﨑駿哉(3年)がストレート、変化球の質を高めた。尾形監督は「チームには試練が続いているが、この試練は成長のチャンス。結果だけではなく人としても成長している姿を見せていきたい」と語る。白山は、秋の“悔し涙”を嬉し涙に変えるべく、戦いの瞬間を待つ。