【品川翔英】 「夢の始まり」 #品川翔栄

2021年に同好会としてスタート
2022年に野球部となり公式戦初出場

 品川翔英が今夏の東東京大会に初出場。学校共学化に伴い野球部が誕生したチームは、野球を楽しみながら新たな野球部のスタイルを目指していく。

■1年目は草野球で力試し  

品川翔英は、小野学園女子高という女子校だったが2020年に男女共学化となった。2021年春に入学してきた髙木英寿(現2年生)はホームルームの自己紹介で「自分は中学まで野球をやってきました。品川翔英で野球部を作りたいです」と伝えた。すると、その日に石田寛教諭(現監督)が教室にすっ飛んできたという。石田教諭は、過去に赤羽商で高校野球指導経験があり、その夢の続きを追って一般企業を退職。2021年春に品川翔英に教員採用されていた。髙木と石田教諭は、1年生の全クラスを回って、野球経験者、野球に興味がある生徒を探した。集まった生徒は11人。1年目は野球同好会として軟式野球でスタート。平日は学校内でトレーニング。正式な部活ではなかったため土・日曜に草野球チームと試合を行い、実戦経験を積んだ。

■初の公式戦は神宮球場  

練習は、学校内の空きスペースで週3日、土日のどちらか1日の週4日練習。生徒たちは地道に練習する傍ら、学校周辺の清掃活動にも取り組んだ。学校の規則では同好会が部に昇格するには2年間の活動実績が必要だったが、生徒たちの情熱によって特例で1年に短縮された。そして同好会発足から1年後の2022年春に「品川翔英野球部」が正式に誕生した。高校野球連盟加入も決まったことで、夏の東東京大会初出場も決定した。目指すは、選手主体の野球部。公式戦ユニフォームのデザインは、選手たちが話し合って決めた。6月下旬には抽選会に参加し、対戦相手が上野学園に決定した。試合会場は神宮球場だった。生徒と共に野球部誕生に尽力した石田監督は、神宮球場のロッカールームで感極まって声を震わせたという。石田監督は「私の夢は、神宮球場で試合をすること、神宮球場でノックを打つこと、神宮球場で勝つことの3つでしたが、そのうちの2つが叶いました。生徒の努力と学校の協力に感謝しています」と話す。

■自分たちの野球部  

上野学園との初戦(2回戦)は、初回こそ1失点で耐えたが、そのあとに失点が増えて0対20の5回コールドで試合を終えた。主砲・中村透雅(2年=外野手)が「上野学園戦は点差がついてしまいましたが、野球を心から楽しむことができました。野球部に入って良かったと感じました」と話せば、エース生田蓮(2年)は「大会に出場できたことは本当に嬉しかったです。ただ、大会で負けてしまったことで、勝ちたいという気持ちが生まれてきました。次は公式戦での勝利を目指したい」と次なる目標へ進む。品川翔英は今年度末に新校舎が完成し、来年度には人工芝のトレーニングスペースも完成する見込み。髙木主将は「自分たちで考えて、自分たちで作っていけるチーム。同好会のときの気持ちを忘れずに、元気あるチーム、自分たちらしいチームにしていきたい」と笑顔をみせる。公式戦初出場は、夢の始まり。選手たちは、野球をとことん楽しみながら、初勝利を追求していく。

おすすめの記事