2017、18年夏に2年連続ベスト16
選手の個性を伸ばす都立ダークホース
選手の個性を伸ばしながら結果を追求していく八王子北。過去に私学強豪を次々と撃破した勝負強さは健在。選手たちは切磋琢磨しながら球春を待つ。
■私学強豪を撃破し一躍注目校へ
部員全員の力が勝利の原動力だ。八王子北は2017年の西東京大会4回戦で桜美林を倒してベスト16へ進出。2018年同大会でも3回戦で日大二、4回戦で桜美林に勝利して2年連続で16強となった。ハツラツとした戦いぶりは、都立勢に勇気を与えた。昨夏には左腕エース伊藤智哉を軸に4回戦へ進出。国立との戦いは延長戦へ突入し2対3で惜敗となったが、持てる力は発揮した。2023年の八王子北は、2年生6人、1年生16人(マネージャー2人)。チームはベスト16を越える8強入りを目指して、地道なトレーニングを積んでいる。
■秋予選敗退を糧に巻き返しへ
昨秋の一次予選は悔しさが残った。予選1回戦で独協に勝利したチームは、手応えをつかんで予選決勝・三鷹中等戦へ臨んだ。2回に4点、3回に3点を奪い、3回終了時点で7対1と大きくリード。しかし、4回に4失点すると、その後に流れを取り戻せず、最終的には延長10回にサヨナラ負けとなってしまった。内田健太郎監督は「序盤にリードしていながら気の緩みが出て、それが敗戦につながってしまった。あの悔しさを忘れてはいけない」と振り返る。チームは秋の予選敗退を糧に、“出直し”。ひたむきにバットを振る一方で、体づくりにも力を入れた。春の練習試合開始をチームは、投打とともにスケールアップ。春・夏での巻き返しを誓って、再起動していく。
■学年の枠を超えてチームは一体
チームの軸は、攻守の要・山越巧夢主将(2年=内野手・投手)。技術とキャプテンシーを備える主将がチームを牽引していく。打撃では、身長180センチのスラッガー松尾咲之介(2年=内野手)、山越主将のほか、雨宮昇平(1年=捕手)、秋山陽祐(1年=内野手)らが飛距離を伸ばす。投手陣は、右腕・永島凌太(2年)、左腕・松本竜翔(1年)を軸にゲームを作っていく。チームのテーマは「雰囲気野球」。1・2年生に必要以上の上下関係はなく、学年の枠を超えてチームは一体となる。山越主将は「秋は予選で負けてしまったが、チーム力は高い。みんなでムードを作っていって、春・夏に私学強豪を倒していきたい」と大会を待つ。チームは、強く、優しく、羽ばたいていく。