2016年夏の躍進を再び
夏の頂点へ向け体づくりから取り組む
2016年夏に県決勝進出を果たしている袋井。夏に向け、積み上げた努力が花開こうとしている。(取材・栗山司)
■西部地区の公立実力校
1976年に誕生した袋井。創部8年目に春季東海大会で優勝するなど新鋭校として躍進した。その後、創部40年目の2016年夏に県決勝進出。あと一歩で甲子園を逃したが、公立校の躍進に地元民の盛り上がりは最高潮に達した。 現在の部員の多くは、その準優勝の輝きを見て入学した世代だ。 チームを率いるのは木村幸靖監督。下田南伊豆分校、掛川西、横須賀で監督を歴任。掛川西の監督時代には県優勝に導いた実績を持つ。 昨年4月に就任後、「甲子園」の3文字を積極的に口に出し、選手の意識を高めている。「壁を破るためには、言葉として出し続けることが大事だと考えている。何が何でも頂点を掴み取るという気持ちでいる」
■トレーニングで土台を作る
目標達成に向かい、まず取り組んだのは体の土台を作ることだった。木村監督は赴任時、選手個々の体の弱さを痛感したという。打撃でミートしても飛距離が出ない。前任校の横須賀時代からトレーニングの重要性を感じていたこともあり、すぐに着手した。 強豪校の選手と比較すると入学時点で技術面の差があるかもしれない。同じ土俵で勝負しても追いつけない。「そうなったとき、横須賀では冬にトレーニングに特化したら、春になったら打球が変わっていた」と木村監督は体験談を話す。 袋井の選手たちの体つきもこの1年間で大きく変わった。腕、太腿などの逞しさが増し、ユニフォーム姿が明らかに以前とは違う。 毎日のトレーニングに加え、冬休みはマネージャーが食事を作り、栄養面を補った。白米は昼食時に500グラム、補食に200グラムを食べて強化した。
■乗ったら止まらない
昨秋は西部地区大会で聖隷クリストファーに1点差で敗れた(2対3)。敗者復活戦でも敗退し、県大会出場を逃した。主将の飯塚知樹(3年=外野手)は「積極的に振っていけず、大事なところで一本を出せなかった」と悔やむ。 冬の紅白戦では初球からフルスイングする姿勢で臨み、成果として打線全体に迫力が増している。1番・藤井優宗(2年=内野手)、2番・飯塚、3番・荻原がチャンスメークし、「チームを勝たせるバッティングをしたい」と4番・西尾陽太(3年=内野手)、5番・片岡祐大(3年=内野手)が走者を還していく。今年のチームの特徴は乗ったときは勢いが止まらない元気の良さ。モットーの全力プレーで甲子園を掴みとる。