今夏、私学強豪・国学院栃木を撃破。バッテリーが残る新チームは石橋史上最強
2019年夏の3回戦で私学強豪の国学院栃木を下しベスト8へ進出した伝統進学校・石橋。夏のエース山崎巧翔(2年)が残るチームは、飛躍の可能性を秘めている。
■ 執念の戦いで夏ベスト8入り
今夏の栃木大会で「番狂わせ」を起こした。
3回戦で私学強豪・国学院栃木と対戦した石橋は、エース山崎巧翔(2年)を軸に真っ向勝負を挑んだ。
国学院栃木は栃木県屈指の戦力を誇る大型戦艦。
戦力は相手が上、しかし、選手たちは勇敢に立ち向かった。
2016年秋に石橋を関東大会へ導いた手腕を持つ福田博之監督は試合前、選手たちにこの2点を伝えたという。
「自分たちの力のすべてを発揮する」「どんな状況になっても絶対にあきらめない」。
国学院栃木は1年生大会でコールド負けを喫した相手。
相手の力が上だが、すべての力を出せば戦えない相手ではない。
3回に3点を先制しながら、4回までに同点に追いつかれる展開。
苦しいのは自分たちよりも相手、選手たちはそう信じて粘りの戦いを続けた。
7回には2死満塁の窮地を迎えたが、執念の戦いでピンチを脱すると、8回に連打を浴びせて2得点を奪い、そのまま勝ち抜いた。
この勝利は、選手たちが100%の力を出し切った成果だった。
チームは続く準々決勝で宇都宮商に敗れたが、ベスト8という結果を残した。
■ エース&主砲が残る新チームに期待
新チームの2年生たちは、3年生たちが残した結果をどう継承していくのか。
エース山崎、主砲・菅又健二郎(2年=捕手)のバッテリーが、そのまま残っているのは大きな強みだ。
菅又は1年生から夏大会に出場している強打者で、打撃を牽引していく。
新チームに大きな期待を寄せる福田監督は「バッテリーが残っているからといって、勝てるわけではない。
それまでの実績は一度リセットして、チームは横一線のスタートでやっていく。
まずは安定した守備を構築していかなければならない」とノックバットを握る。
新主将は、チームの元気玉・関口聡太(2年=外野手)。
関口は、レギュラーポジションを確保しているわけではないが、おとなしい選手が多い中で、「声」でチームを活気づける貴重な存在という。
関口新主将は「3年生がベスト8という結果を残してくれた中で、新チームは夏を経験した選手が多く残っている。
先輩たち以上の声で、チームを盛り上げて、一体感のあるチームを作り上げていきたい」と話す。
石橋は2016年秋の県大会で準優勝を果たし関東大会へ進出、選抜甲子園に手が届く場所までたどり着いた実績を持つ。
指揮官は「2016年秋のチームと比較して、このチームは個人の能力は上。
だが、新チームは守備がまだ安定していない。
山崎を軸にして守り勝つチームにならなければいけない」と、チーム作りを進める。
新たなスタートを切った石橋は、先輩たち以上の「番狂わせ」を起こすため「文武不岐」の精神で邁進していく。
【学校紹介】
住 所:栃木県下野市石橋845
創 立:1924年
甲子園:なし
大正13年に創設。文武両道の進学校。野球部は2016年秋に栃木県大会準優勝で関東大会進出。21世紀枠候補となった。