藤枝明誠が初優勝。
藤枝明誠、加藤学園、静岡商の3校が東海大会へ
秋季東海野球大会静岡県大会決勝が9月28日に行われ、藤枝明誠が加藤学園を5対4で下して初優勝を決めた。
静岡県からは藤枝明誠、加藤学園、静岡商の3校が東海大会へ出場する。
(取材・栗山司)
■ 明誠が粘りの野球で勝ち上がる
秋の静岡を制したのは藤枝明誠だった。
中部地区大会での敗戦を糧に、県大会では粘り強い戦いぶりで初の秋王者に輝いた。
チームが勢いづいたのは県2回戦の浜松開誠館戦。
3点の先制を許すも、5回にスクイズで1点を返すと、6回に村松杏都(2年=内野手)と福島悠晴(2年=外野手)のタイムリーで逆転。
主将の村松は「この試合を勝てたことで自信をつけた」と振り返る。
県大会前の中部地区大会では準決勝、3位決定戦ともに敗退。
新チームは例年以上に打撃力のある選手がそろっていたことで、個々の能力に頼る野球になっていたという。
本来、藤枝明誠は部員全員の心を一つにし、細かいプレーを大事に相手に向かうのが伝統のスタイル。
敗戦後、光岡孝監督と選手はもう一度原点に戻ろうと、バントと守備を徹底的に鍛え直した。
光岡監督はこう語る。
「今年は打てる選手が例年よりもいることで、地区大会では『打て打て』という野球になってしまった。
負けたことで、バントや守備といった明誠の野球が大事だと気づいた」
■ 決勝はサヨナラで決着
勝てば東海大会出場が決まる準決勝、さらに決勝戦でも藤枝明誠らしい泥臭い野球で勝利をもぎとる。
準決勝は終盤まで5点を追う苦しい展開に。
だが、8回に3点を返し、さらに9回には村松の内野安打で同点に追いつく。
そして、延長11回には齋藤龍幸(2年=内野手)がサヨナラ安打を放ち、試合を決めた。
続く決勝戦は3点リードするも、中盤に同点とされる。
4対4の同点で9回へ。
1死一三塁のチャンスを迎えると、光岡監督はスクイズを仕掛ける。
相手バッテリーに外されてチャンスが途絶えたかに思われたが、捕手の悪送球で、三塁走者が生還。
サヨナラ勝ちを決めた。
「東海大会出場が決まったが、この1週間、自分たちに厳しくしてきた」と村松主将。
「甲子園に行く気があるなら、決勝で勝つことが必要だ」という光岡監督の言葉を胸に、選手たちは気が緩むことなく必死に練習に励んだ。
選抜初出場を目標に、東海大会でも頂点を狙う。
■ 加藤学園は強豪を撃破して準優勝
準優勝の加藤学園は強豪の常葉大菊川、静岡、静岡商を立て続けに撃破。
18年ぶり2度目となる東海大会出場を果たした。
準々決勝では、今夏の甲子園出場校で、今大会も優勝候補筆頭だった静岡と対戦。
7回に大村善将(2年=内野手)の本塁打で逆転すると、同点の9回には代打・吉田光輝(2年=内野手)のタイムリーでサヨナラ勝ち。
「負けて元々、思い切ってやろうと選手には言ってきた。
常にチャレンジャーの気持ちで戦うことができた」と米山学監督。
そして、準決勝の静岡商戦では0対2の劣勢の中、8回に大村の3ラン本塁打が飛び出した。
決勝ではあと一歩及ばす、初の県優勝を逃したものの、悲願の甲子園出場に向け、着実に階段を上がった。
藤枝明誠高等学校