【桐生第一 野球部】「スタート」#桐生第一

栄光を引き継ぐ縦縞の選手たち

昨秋・今夏連覇「もう一度、聖地へ」

今夏の独自大会を制覇した桐生第一。

選抜出場権を持っていたチームは夏大会後に、甲子園交流戦に出場し、聖地の舞台を踏んだ。

先輩たちの勇姿から多くを学んだ1・2年生たちは栄光を引き継ぐべく力強く、スタートを切った。

■昨秋、今夏の桐生第一の進撃

2019年秋〜2020年夏シーズンは、桐生第一の連覇で幕を閉じた。

広瀬智也(3年=内野手)と福士信晃(3年=内野手)のダブル主将を軸に、技巧派左腕・宮下宝(3年)、右の豪腕・蓼原慎仁(3年)がマウンドを守ったチームは、昨秋の準決勝で樹徳、決勝で前橋育英を撃破し、県制覇。関東大会4強進出で選抜切符をつかみ取った。

コロナ禍で選抜甲子園、春大会そして夏甲子園大会が中止となった中で、夏の独自県大会では準決勝で前橋商、決勝で健大高崎を下して、秋・夏の連覇を果たした。

樹徳、前橋育英、前橋商、健大高崎の実力4校を倒しての連覇は価値がある。

夏の覇者となったチームは、選抜代替試合となった甲子園交流戦に出場し、名門・明石商と2対3の好ゲームを演じた。

桐生第一の進撃は、こうして幕を閉じた。

■伝統の継承を成し遂げるために

桐生第一は2018年秋に監督交代劇があった。

桐生第一を甲子園常連に育て上げ計14回の甲子園出場を果たした名将・福田治男前監督が退任し、OB今泉壮介コーチが指揮を執ることになった。

2018年の秋大会を前にしての突然の交代だったが、今泉監督は、伝統を継承しながら、新たなチーム作りに取り掛かった。

いまの2年生は、今泉監督のもと縦縞のユニフォームを着るという強い覚悟を持って、桐生第一の門を叩いた選手たちだ。

監督交代の余波もあり、この学年の人数は20人に留まった。

山田柊弥(2年=外野手)は「僕が小学校のとき、選抜出場した桐生第一を見て、絶対にこのチームでプレーしたいと思っていました」と思いを話せば、高嶋條(2年=内野手)は「父が桐生第一のOBでしたが甲子園に行けなかったので、自分が縦縞のユニフォームを着て甲子園に行きたいと考えました」と入学の理由を明かす。

そのほかの選手たちも、桐生第一の伝統にひかれて集まってきた。

今泉監督は「いまの2年生は、私が監督になるとわかってから入学してくれた選手たち。だからこそ、結果を引き出してあげたい」とチーム強化に励む。

■ゼロから始める覚悟を持って

前チームが3年生中心だったため、新チームはゼロからのスタート。

指揮官は「秋夏制覇は3年生の力。

その結果にあぐらをかいたら初戦で敗退してしまう。

自分たちの力を把握して、謙虚な姿勢で臨まなければいけない」と、ゼロからのスタートを強調する。

新チームは、1・2年生が学年の垣根を超えて、熾烈なポジション争いを展開している。

投手陣は、神宮僚介(2年)、北村流音(1年)、寺門京佑(1年)らがエースの座を狙い、打撃では、山田を核弾頭に、伊藤颯汰(2年=外野手)、三塚琉生(1年=外野手)、阿部伊吹(2年=内野手)、三森結大(1年=内野手)らがチームバッティングで役割を果たす。

チームをまとめる高島は「3年生たちは、自分たちの声で雰囲気を作り、チームを盛り上げていました。僕らも監督の求める野球を表現して、勝ち進みたいと思います」と気持ちを込める。

主役だった3年生は引退となり、ここから1・2年生がチームを背負う。

縦縞のユニフォームに袖を通す選手たちは、桐生第一の栄光を引き継ぐべく、新たな一歩を踏み出していく。

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