「バントの神様」が臨時コーチに。「まさか、あの川相さんが本当に来るとは思っていませんでした」。巨人ファンの鈴木貫太主将(3年=外野手)は、その話を聞いた瞬間、耳を疑ったという。まずはウオーミングアップのあと、キャッチボールからスタート。川相氏がスローイングで気になった選手に対し、声をかけていく。その後、バント練習では実際に川相氏が手本を見せる場面も。右バッターボックスでも左バッターボックスでも簡単に決める川相氏。しかし、選手たちが実際にバントをすると、うまく決まらない。そこで川相氏は選手全員を集めて分かりやすく説明する。「まず、ボール、バット、目の位置関係をしっかりさせよう。その上で全体的に打席での動きが遅いので、動き出しを早くしてみよう。これはバントだけでなく、バッティングにも通じることです」 選手たちは真剣な眼差しで名選手の話に耳を傾ける。すると、みるみるとバントが決まるようになる。鈴木主将は「今までバントが上手くいかなかった時、原因が分からなかったのですが、川相さんからコツを教わり、上手くできるようになりました」と嬉しそうな表情を浮かべる。さらに、守備練習では名手からゴロ捕球のイロハを学んでいった。 2019年8月号掲載