今年4月に運動部選手寮完成
新たな環境で目指す甲子園
明和県央が練習環境を着々と整えている。今年4月には運動部選手寮が完成し、新たな時代がスタートする。
■8選手が新選手寮で新生活
この3年間で野球部を取り巻く環境は大きく発展している。2019年までは、野球部、ラグビー部、サッカー部の共有グラウンドだったが、ラグビー・サッカー場が完成した2020年に、従来の校庭が専用野球場となった。さらに翌年には室内練習場も整備され、ベンチや部室も整った。学校側は、利用していなかった建物をリニューアルして運動部選手寮に改装。今年4月から、野球部、ラグビー部の選手が入寮する。野球部からは新2年生2人、新入生6人の計8選手が入寮する見込みで、新たな生活をスタートさせる。それは決戦の幕開けだ。
■専用球場、室内練習場など環境充実
チームを率いるのは、塩原元気監督だ。前橋商出身で高校時代は強打の捕手として甲子園に出場した実績を持つ。2013年に明和県央教員になると、2014年に東野威前監督(現総監督)のあとを継いで監督に就任。2017年夏には創部初のベスト4進出を果たした。今年で就任9年目となる塩原監督は、中学教員を辞して明和県央野球部に入閣した内山純也コーチ、冨田光紀コーチと3人で強化に励む。塩原監督は「練習環境が整ったので、選手だけではなく、自分自身も言い訳ができない。あとは甲子園出場という結果をつかむだけだと思う。これまでは『甲子園』という言葉を使っていなかったが、これからは覚悟を決めて甲子園を目指す」と語る。
■環境に比例して技術向上
現在の部員数は3年生16人、2年生20人の計36人。新年度も20人以上の新入生が加わる見込み。新環境元年にあたる2022年度は、3学年合わせて60人弱の大所帯になる予定で、グラウンドはさらに活気付く。環境充実に比例して、選手のパワーも飛躍的に伸びている。角田虹(3年=中堅手)、髙一樹(3年=捕手)、須藤奨太(2年=投手)らクリーンアップ候補たちがフェンス越えを連発。投手は、二刀流の本格派左腕・須藤が昨秋時点で最速139キロをマークした。投打の破壊力は、県内屈指だ。秋季大会は3回戦で健大高崎に屈したが、春・夏はリベンジのとき。主砲・角田が「秋の健大高崎戦はミスから自滅してしまった。冬の成長を大会でみせたい」と話せば、扇の要・髙は「秋の課題を克服して、春・夏へつなげていく」と球春を待つ。佐藤聖桜主将(3年=内野手)は「野球に集中できる環境が整った。あとは自分たちが結果を残すだけ」と甲子園を目指す。覚悟は、決まった。明和県央は、群馬県で一本しかない真紅の優勝旗をつかみに行く。