確実な成長を見せたベスト8
エース大橋が力投でチーム牽引

 県を代表する伝統校・静商として結果が出せず、苦しんでいた今期のチーム。褌を締め直して挑んだ夏は今チーム最高のベスト8を掴み、そのプライドを示した。

■静商のプライド  

OBの曲田雄三監督が就任して2年目。昨夏の3回戦敗退から今夏はベスト8へ。準々決勝で涙を飲んだが、「秋の悔しさ、春の不甲斐なさ(県初戦敗退)、そこからのベスト8。私は一人の先輩として後輩を誇れる」と曲田監督は選手をねぎらい、「この位置に顔を出していくのはウチに任された責任。次の代につなげていきたい」と続けた。  

静岡商といえば、鉄壁な守りと機動力を使った攻撃が伝統だ。昨秋の県大会3回戦敗退をきっかけに、打撃の強化をはかった。「静商として守るべきこと、変わるべきことがある中で、チャンレンジしてきた1年だった」と指揮官。「静商プライド」という新たなスローガンも掲げた。

■シード校を撃破  

3回戦は昨夏の大会で死闘を演じたシード校の常葉大橘と激突。大一番でエースの大橋建仁(3年)が気迫漲る投球を見せた。春の大会中に右ヒジ痛を発症。その後、約1カ月間、投げられない中で、黙々とトレーニングに励み、平均球速を上げた。この日は最速141キロのストレートに変化球を絡ませ相手打線を翻弄。7回1死一二塁のピンチを切り抜けると、9回の最後の打者からは力強いストレートで三振を奪って右手でガッツポーズ。散発6安打で完封勝利を飾った。  

続く4回戦(対静岡東)は野手陣が奮起。17安打13得点で快勝した。

■最後までマウンドを守り抜く  

迎えた準々決勝(対静清)。大橋は5回まで無失点の力投も、6回と8回に失点。打線は相手投手を打ち崩すことができず、0対3で敗れた。大橋は「負けたことは悔しいが、力を全部出し切れた」と静岡商のエースとしてのプライドで最後までマウンドを守った。  「静商プライド」のタスキは後輩達が受け取る。「ベスト8を超えて、甲子園に行ってほしい」と大橋。節目の創部100年まであと6年。一歩ずつ階段を上がっていく。

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