中学生レポート〜未来の高校球児たち〜【高崎市立中尾中 】「次世代へのタスキ」

2年生11人でのチャレンジ 1年生は部員ゼロ
倉賀野中との連合チームで県大会優勝

 高崎市立中尾中は2年生11人で活動している。倉賀野中との連合で戦った第45回群馬県中学校新人軟式野球大会決勝では優勝を果たすなど成長を遂げている。部員たちは野球を本気で楽しみながら未来の高校球児を目指す。

■2年生11人が本気で野球を楽しむ  

JR井野駅から徒歩約10分の場所に位置する高崎中尾中。少年野球が活発なエリアで卒業生には高校野球で活躍している選手も多い。最近では健大高崎や桐生第一、樹徳、農大二、前橋商などにも選手を送り出してきた野球部だが、現在の部員数は2年生11人(男子7人、女子4人)だ。地域野球人口が減ってきていること、また教員の人事異動を考え、硬式(ボーイズ)でプレーする選手が増えていることなどから1年生部員はいないという。来年4月に新1年生が入部しなければ、将来的に休部になってしまう可能性もある。顧問の町田大将教諭は「野球人口の減少をあらためて感じています。2年生が頑張ってくれているので、将来へつなげていきたいと考えています」と話す。

■倉賀野中との連合チームで県大会制覇  

高崎中尾中には11人の選手がいるが、新チーム結成当時は選手8人、マネージャー1人だったため、今秋の新人戦は高崎倉賀野中と連合を組んで大会へエントリーした。高崎中尾中のバッテリーを中心としたチームは1回戦で伊勢崎三と対戦して2対1の僅差で勝ち上がり、2回戦桐生広沢・みどり笠懸は接戦の末に2対0で勝ち切った。3回戦の太田西・東・強戸は、打ち合いの展開となった中で7対5と競り勝った。準決勝のみどり大間々東戦は7回を終えて2対2で決着せずタイブレークを制した。決勝は、前橋粕川との対戦となった中で、全員野球で4対2の勝利。チーム全員が粘り強く戦い抜いた末の優勝だった。抜群の制球力でゲームをつくったエースの栗原拓巳は「守備がしっかりと守ってくれたので最少失点で耐えることができました」と振り返る。町田教諭は「市大会の初戦で負けてもおかしくなかった連合チームが、県大会で優勝できたことは奇跡に近い結果です。選手たちが自分たちの力を信じて戦ったことが優勝につながったと思います」と選手の奮闘を称える。

■次世代へ野球部のタスキをつなぐ  

高崎中尾(倉賀野連合)は来年3月に静岡県で開催される「文部科学大臣杯全日本少年春季軟式野球大会」に県代表として出場する。チームの軸は、エース栗原とリリーフの金井塚裕基主将(投手・遊撃手)の投手陣、キャッチャー小暮滉太のバッテリー。打撃は、1番金井塚主将、4番狩野颯来(二塁手)、5番中曽根慶志(左翼手)がキーマンとなる。4番狩野が「県大会ではチャンスで打線がつながって得点につなげることができました。全国でも自分たちの野球をみせて勝ち上がりたい」と話せば、金井塚主将は「県大会では一戦一戦で成長することができました。全国大会でも選手全員の力を合わせて粘り強く戦って、先生と1日でも長く野球をしたいと思います」と春を待つ。選手たちは、次世代へ野球部のタスキをつなぐために全力疾走していく。

【群馬県中学校新人軟式野球大会戦績】
優勝 高崎市立中尾中・倉賀野中
1回戦 2対1 伊勢崎三
2回戦 2対0 桐生広沢・みどり笠懸
3回戦 7対5 太田西・東・強戸
準決勝 2対2(2対0) みどり大間々東
決 勝 4対2 前橋粕川

 

 

 

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