2023年で創部15年を迎える気鋭
2018年秋には日大三を撃破する「金星」
目白研心は2009年の共学化と共に野球部が誕生、2023年で創部15年を迎えている。野球が好きな選手たちが集まるチームは、それぞれの長所を結集して勝利を追求していく。
■WBC決勝戦から学ぶこと
3月22日はWBC(ワールドベースボールクラシック)の決勝戦だった(日本時間22日午前8時プレイボール)。目白研心はその日の午前中、都内の球場を借りて実戦練習が予定されていたが、鈴木淳史監督は保護者や選手たちと相談の上、練習を中止してWBC観戦のための時間に充てた。選手たちは自宅で日本対米国の試合をテレビ観戦し、それぞれが士気を高めた。椎谷周輝(3年=内野手)は「試合前に大谷翔平選手が『相手への憧れを捨てて試合に集中しよう』と話していました。自分たちも格上と呼ばれる相手に対して、平常心で向き合っていかなければいけないと感じました」と話す。選手たちは午後に学校グラウンドへ集まり、白球を追った。目白研心は、グラウンド外からの学びを力に変えて球児として成長を遂げる。
■チームのため、仲間のために
2009年の共学化と共に野球部が誕生した。当初は部員2人での練習が続いたが、彼らが努力したことによって野球部の土台が築かれていった。2018年秋の都大会1回戦では、日大三を7対5で撃破し、高校野球界を驚かせた。チームは今年で創部15年目の節目を迎えている。目白研心は、新宿区中落合の学校立地や大学併設の環境などによって校庭の広さは限られている。中学校部活を含めての共用となるため、週1〜2回は学校校庭でトレーニングを行い、それ以外は都内各地の球場へ出掛けて練習に励む。2020年春からのコロナ禍によって球場が閉鎖になるなど、チームにとっては逆風が吹いた。それでも選手たちは、ひたむきに努力を重ねて野球部の希望を灯してきた。今年のテーマは「チームファースト」。創部から指揮を執る鈴木監督は「今年の3年生は、コロナ禍で自宅学習などが増えて、個人での活動が多くなった世代です。チームのため、仲間のためにプレーすることの大切さをあらためて伝えていきたい」と選手をサポートする。
■発展途上のチーム、夏に向けて照準
今年のチームは3年生13人、2年生26人に今春入学の新入生が加わる。大和田洸陽主将(3年=内野手)、浮津春成(3年=内野手)、椎谷らが軸だが、エースナンバーを背負う寺山幸成(2年)、4番の大原匠揮(2年=内野手)は2年生という若いチーム。昨秋は予選1回戦で足立新田に惜敗。今春は1次予選を突破して迎えた1回戦で明法と対戦して0対6で屈した。秋、春ともに都大会勝利を挙げることはできていないが、チームは発展途上。夏に向けて照準を合わせている。大和田主将は「自分たちで考えながら、やるべきことを追求していくことで学校最高の夏ベスト32を超えていきたい。チーム全員で最後まで粘り強く戦っていきます」と力を込める。突き抜けた力を持つスター選手はいないが、今夏は全員が主役になる。