【川和】「最大出力」

2015年秋ベスト8、2021年夏ベスト32
2023年1月から新たな指導体制

 2015年秋にベスト8へ進出するなど力を発揮する進学校・川和。2023年1月からは新たな指導体制で、選手のエネルギーを引き出していく。

■野球本来の面白さを追求  

川和は2021年夏の神奈川大会4回戦でベスト16入りをかけて東海大相模と対戦した。下馬評は、その春の選抜で全国制覇を果たした東海大相模の圧倒的優位との見方だったが、川和はエース吉田悠平の好投によって8回を終えて1対1。ジャイアントキリングの可能性もあったが、9回に6失点して最終的には1対7で屈した。金星をつかむことは出来なかったが、チームは高校野球の奥深さ、魅力を伝えた。川和は昨夏も2回戦で横浜隼人と対戦して2対2で延長戦へ突入。最後は耐えきれずに延長10回2対3という結果だったが、堂々の戦いをみせた。川和には、野球本来の面白さを追求していくDNAが宿っている。

■選手の力を最大限発揮  

昨年秋までは伊豆原真人監督が指揮したが、2023年1月からは平野太一監督の体制となった。津久井浜、瀬谷を指導した実績を持ち、瀬谷時代の2016年度にはドミニカに野球視察。その後は横浜国大大学院で学ぶ機会も得ている。野球指導の見識を深めると2022年4月に川和へ着任し部長、2023年1月から監督を務めている。生徒たちに伝えているのは、「ありがとう」「エネルギーを最大限発揮すること」「一生懸命」の3つ。生徒の考え、行動を尊重する平野監督は「選手たちの持てる力を最大限発揮させてあげたい。野球はチームメイトがいて初めて成り立つスポーツ。仲間への感謝を忘れずに一生懸命に努力してほしい」と語る。

■チーム全員の力で勝利へ  

指導体制は変わったが、川和の野球、選手たちが目指す方向は変わらない。今年のチームは、3年生18人、2年生20人、1年生24人の計62人の大所帯。強肩強打の“扇の要” 馬場耀太主将(3年=捕手)がチームをまとめて、学年の枠を越えて一つになっている。打撃は、1番・山﨑遥介(3年=外野手)がチャンスメークし、秦智哉(2年=内野手)、北村啓人(2年=内野手)、馬場主将のクリーンアップが得点につなげる。投手は、エース右腕・田村隼士(3年)が軸となる。今春は2回戦で川崎総合科学に勝利、3回戦では市ケ尾に2対7で敗れたが、敗戦の中で夏への希望が見えていた。馬場主将は「攻守の質を高めていって夏の結果につなげたい。チーム全員の力で勝利をつかみたい」と力を込める。  川和は、チームの最大出力を発揮することで未開の地へと突き進む。

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