【東海大高輪台 野球部】「ミッション」

2017年夏に東東京大会で準優勝。

甲子園初出場へ貫くスタイル

2017年夏の東東京大会で準優勝した東海大高輪台。

今年のチームは、あの夏の戦いをみて入学してきた選手たち。

士気高まるチームが次世代のゲートを開く。

(取材・伊藤寿学)

■ 2017年は甲子園まであと1勝

東海大高輪台は2017年夏の東東京大会で、宮路悠良(現東海大2年)、鵜飼康弘(現横浜国大2年)らの好投手を擁してトーナメントを駆け上がり、準優勝となった。

決勝戦では二松学舎大附に敗れたが甲子園まであと一歩に迫ったあの夏は、チームの財産となっている。

今年のチームを担う2年生たちは、中学3年生のときに2017年夏を観て、入学してきた生徒たち。

自分たちの代で甲子園初出場をつかむというミッションを共有する選手たちは、東海大高輪台スタイルを貫きながら聖地を目指す。

■ 最近2年間の課題は投手力

チームは2017年夏以降、都内強豪相手に敗れて上位進出を果たせない結果となっている。

2018年春は都2回戦で東海大菅生、2018年夏は東東京5回戦で帝京、2018年秋は予選で二松学舎大附に屈した。

さらに2019年春は都1回戦で小平西、2019年夏は東東京3回戦で小山台に土をつけられた。

就任19年目のOB指揮官・宮嶌孝一監督は「チーム全体の力がなかったわけではないが、投手力が安定しなかった。

実力校相手に勝ち上がるには、やはり投手力が必要だ」と振り返る。

■ 投手コーチ充実でチームに変化

指揮官はピッチャー出身のOB谷昴輝コーチにブルペンを任せ、着任2年目の深澤建人コーチが約80人の選手に気を配る。

若いコーチ陣たちは、控えの外野手だった古口誠(2年=投手)を投手にコンバートしエースに育成するなど能力を発揮、斉藤雄大(2年)、的野健太(1年)らも力を伸ばす。

的野は1年生ながら骨太のボールを投げ込み、プロスカウトも熱視線を寄せているという。

ブルペンの競争がチームにさらなる活気を生んでいる。

■ 今秋は2回戦で菅生に敗戦

2020年夏へ向かうチームは、吉澤望主将(2年=内野手)が攻守でチームを牽引、打撃では3番・福留悠大(2年=内野手)、4番・上遠野雄飛(2年=内野手)が勝負強い打撃をみせる。

三星太雅(2年=外野手)、滝沢広輝(2年=捕手)、武藤拓磨(1年=内野手)らも土台を支えている。

秋都大会は1次予選初戦で日大豊山と対戦し7対6で競り勝った。

都大会1回戦で府中工を撃破し、2回戦では東海大菅生と対峙、真っ向勝負を挑んだが3回以降に投手陣が耐えられずに1対11の6回コールド負けとなった。

吉澤主将は「チーム力では負けていないと思って戦ったが、細かいプレーの差の積み重ねが大差になってしまった。

1プレー、1点の執着心が足りないと感じたので、春までにその課題を修正してレベルアップしていきたい」と話す。

■ 呪縛を解き放て

東海大高輪台は、毎年、夏大会が来るたびに「東海大系列13校で唯一甲子園出場がないチーム」という枕言葉がつく。

都心の一等地がゆえの練習環境などの理由が大きいが、それも宿命。

文武両道を貫きながら戦力を高めるチームは2020年の夏、その “呪縛”を自分たちの力で解き放つ。

東海大高輪台は、“縦縞”の新たな可能性を追求していく。

 

 

滝沢広輝(2年=捕手)「春にシード獲得して夏は甲子園を狙う」(写真左)
上遠野雄飛(2年=内野手)「自分たちの力をすべて発揮して甲子園へ行く」(写真中央)
古口 誠(2年=投手)「フィジカルを上げて、夏に勝てるピッチャーになる」(写真右)

 


東海大学付属高輪台高等学校 

【学校紹介】
住 所:東京都港区高輪2-2-16
創 立:1944年
甲子園:なし
毎年約9割の生徒が東海大に進学する付属校。

最寄り駅は東京メトロ「白金高輪駅」JR「品川駅」など。

文武両道を目指す高校で、野球部は2017年夏の東東京大会で準優勝。

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