【明和県央 野球部】「新たな挑戦」

2017年夏の初4強から2年。

新たな環境で目指す初甲子園

個性的なプレーヤーたちが集う明和県央。

今秋大会は3回戦を突破することができなかったが今夏を経験した多くの選手が残る新チームは大きな可能性を秘めている。

■ 個性あふれる選手たち

投打において個性あふれる選手たちが、はつらつと野球に向き合っている。

2014年春から指揮を執っている塩原元気監督は、選手の個性を生かしながら攻守に迫力あるチームを目指す。

2017年夏には快進撃をみせて創部初のベスト4へ進出、強豪校がひしめく上州に確かな足跡を刻んだ。

チームは4強入りをクサビにして群馬の頂点を狙うべく次なるチャレンジに出たが、“山”は頂点が見えてから険しさが増す。

■ 過去2年の敗戦を糧に

あれから2年、チームは結果を残せずにいる。

塩原監督は「2017年夏にベスト4まで行けたので、自分の中ではそこから安定してベスト8、ベスト4へ行けるチームベースを作って、チャンスで甲子園を狙いたかった。

でも甘くないと感じている。

私自身、十分な学校環境で指導させてもらって、(公立のように)人事異動もない中で、甘さがあったのかもしれない」と自らにベクトルを向ける。

■ 野球人口減少を実感

野球部を取り巻く外的環境は、この2年間で大きく変わったという。

3年前までは3学年合わせて70人以上いた部員は、最近は1学年10人強。

今秋は2年生11人、1年生10人の計21人の所帯となった。

中学生の野球人口の減少、選択肢の多様化などによって、部員がオートマチックに集まる状況ではなくなっているという。

施設整備に力を入れる学校側は来春にラグビー・サッカーなどの新グラウンドを完成させる。

それによって今の校庭は野球部専用となり、環境はさらに充実する。

だからこそ、明和県央には結果が求められている。

■ 秋はベスト16で惜敗

今年の2年生は、中学時代の2017年夏の明和県央の進撃をみて入部してきた選手たち。

今夏の3年生のレギュラーが少なかったため、夏はレギュラーの半数を2年生が占めた。

身長186センチの大型右腕・渡辺祐太(2年)、高校通算15本塁打のスラッガー・齊藤虎太郎(2年=外野手)、走攻守3拍子揃ったショートストッパー相馬淳志主将(2年)、蜂巣剛広(2年=外野手・捕手)ら、チームは夏のセンターラインがそのまま残っている。

本気で選抜出場を狙った今秋大会は1回戦で藤岡中央、2回戦で前橋南を下して、3回戦へ進出。

ベスト8進出をかけてシードの館林と対戦したが、安打数で上回りながらも勝負所でミスが生じて5対7の惜敗。

目標だった関東大会切符をつかむことができなかった。

■ チームのターニグポイント

チームは来夏の甲子園初出場を目指して、この冬を越す。

選手の潜在能力は高く、チームの伸びしろは大きいだけに、どれだけ高い意識で冬トレに取り組めるかが春・夏躍進のカギとなる。

相馬主将は「自分たちの代は夏を経験した選手が多いので、ここで結果を出さなければいけないと思っている。

秋のベスト16は満足できる結果ではないので、夏に甲子園に行けるようにチーム全体で頑張っていく」と聖地を目指す。

この1年は、チームにとってターニグポイント。

投打の戦力が整う明和県央は、再度、「頂」を目指して歩み出す。

新たな挑戦が、チームの歴史をつくっていく。

渡辺祐太(2年=投手)

身長186センチの大型右腕。

最速135キロの直球と多彩な変化球が武器。

今秋から背番号1を背負いマウンドに上がる。

「冬に下半身を強化して春・夏に勝てるピッチャーになりたい」。

大化けする可能性を秘めた注目投手だ。

 

 

 

 

齊藤虎太郎(2年=外野手)

175センチ85キロ。

強靭なフィジカルを生かして、いかつい打球を打ち込む群馬県屈指の強打者。

10月時点で高校通算15本塁打。

「(ソフトバンクの)柳田選手のようなフルスイングで、来夏までに通算30本塁打以上を目指す」(齊藤)。

規格外のスラッガーだ。

 

 

 


明和県央高等学校

【学校紹介】
住 所:群馬県高崎市金古町28
創 立:1983年
甲子園:なし
昭和58年(1983年)創立した私立校。

部活動では男子バレー、ラグビー部が強豪。

野球部は2017年夏、創部以来初の4強入りを果たした。

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