日大豊山のプライドを持って
2000年以来2度目の甲子園へ
2019年夏の東東京ベスト4、2020年夏ベスト8となった日大豊山。
コロナ禍を経て、たくましさが増したチームは、「We are 日大豊山」をスローガンに東京制覇、そして2000年以来2度目の甲子園を目指す。
2020年11月号掲載
■1・2年生総勢57人の大所帯
頂点がはっきりと見えている。
2019年夏はエース瀬崎絢を擁して準々決勝で帝京を破ってベスト4進出。
2020年夏はエース小槻悠奈(3年)を軸に戦い、ベスト8進出を果たしている。
最近の大会で敗れたチームの多くはシード校や甲子園出場経験校。
チームは、その壁を越えれば甲子園に手が届く場所まで到達しているのだ。
2017年から指揮を執るOB指揮官の福島直也監督は「まだ何も成し遂げていないし、満足もしていない」と頂点を見据える。
チームは、黒川太一部長、金子和樹助監督、内山賢顧問、永吉一成・宮坂健太・水野遥太コーチの指導陣が役割分担、1・2年生総勢57人の大所帯をまとめている。
選手の能力は年々高くなっており、高いレベルの野球を実践している。
福島監督は「野球は相手がある競技だが、すべては自分たち次第。自分たちが本気になれるかどうかだ」と自立を促す。
■スローガンのもと一つになるチーム
チームスローガンは、「We are 日大豊山」。
コーチ陣の帽子やシャツには、 「We are 日大豊山」が印字され、選手たちに深く浸透している。
「We are 日大豊山」 は学校全体でも標榜されている言葉で、野球部でも昨夏から採用。
福島監督は「これまでの野球部を築いてくれた方々、現役の選手たち、そしてこれからの日大豊山をつくる生徒、すべてを含めて『We are 日大豊山』。日大豊山の選手としての自覚、プライドを持つことが重要だと考えています」と話す。
新チーム主将小川慶人(2年=内野手)は「選手たちは、いろいろな方々の思いを背負って戦わなければいけない。学校、地域への恩返しのためにも、僕らが一つになることが大切。日大豊山のすべての力を合わせて、東京でNo.1になりたいと思う」と、スローガンを理解する。
チームは、このスローガンのもと一つになろうとしている。
■夏を経験した3投手に期待
新チームは、大きなポテンシャルを秘めている。
今夏の主力だった小川主将、主砲・飯島渉太(2年=内野手)に加えて、右サイドスローの足立丈(2年)、最速142キロ左腕・玉井皓一朗(2年)、140キロ超の本格派右腕・荒木慈安(2年)の2年生・3投手が夏の大舞台を経験し、ひと回り成長した。
日大豊山「3本の矢」が機能すれば、東京制覇も夢ではない。
夏の4回戦堀越戦で登板しピンチを回避した足立は「夏の経験を新チームにつなげたい。投手陣全体で失点を抑えて、守備から流れを引き寄せていく」と、マウンドへ向かう。
打線は、義金大空(2年=外野手)、主砲・飯島、井原亮介(2年=外野手)を中心に、磨きをかけている。
2019年夏のベスト4を見て入部してきた1年生もレギュラーを虎視眈々と狙い、秋季都大会を前にチーム内競争は熾烈となっている。
「We are 日大豊山」。
チームは2000年以来2度目の甲子園へ突き進む。