「自分のピッチングをすることだけを考えた」 篠崎晃成
「怯むことなく戦った選手たちを褒めてあげたい」 福田博之監督
強豪東海大相模相手に大善戦
明日へつながる確かな手応え
栃木2位の石橋が、関東大会初戦で強豪東海大相模相手に善戦した。
結果は、0対7の7回コールドとなったが、エースの力強いピッチングが光った。
■4年ぶりの関東大会
石橋は、栃木大会準決勝で作新学院を3対2で下して関東大会切符をつかんだ。
チームにとって関東大会は2016年秋以来4年ぶり。
今回の関東大会出場15チーム中、公立高校は石橋と前橋商(群馬2位)の2チームのみ。
選抜を視野に入れた戦いは、公立のプライドを懸けた勝負でもあった。
初戦の相手は、東海大相模(神奈川1位)。
エースの石田隼都は真岡ボーイズ出身。
全国トップレベルの打力を誇る優勝候補だ。
関東強豪相手に石橋がどんな戦いをみせるか注目されたが、選手たちは持てる力をグラウンドにぶつけた。
石橋のエース右腕・篠崎晃成は、スリークォーターのフォームから威力あるストレートと、ブレーキのかかった変化球を投げ込む。
初回はいきなり2者連続三振で、スタンドはどよめく。
その後に連打を浴びて1点を失ったが、2回以降も変化球を低めに配置し、相手打線を翻弄、4回まで1失点で耐えていく。
篠崎は「相手は関係なく、自分のピッチングをすることだけを考えた」と話す。
篠崎を支える女房役・小林到主将も存在感を発揮していた。
■エース篠崎、捕手小林、堂々の戦い
ゲームは0対1の僅差で5回へと進む。
石橋は、守備が相手の圧力に耐えられなくなっていく。
相手の速い打球に後手を踏むと、守備の綻びによってランナーをためてしまう。
東海大相模は、その隙を狙って、セーフティーバントを次々と仕掛けて混乱を誘った。
逆に言えば、相手はそこまでしないと点が取れなかったとも言える。
石橋は5、6回にいずれも3失点を喫して、0対7の7回コールド敗戦。
善戦したが、トータルの力が及ばなかった。
打線は、深澤澪のレフト前安打と齋藤陽平のライトオーバーの三塁打の2本のみ。
エース篠崎を援護することができなかった。
エース篠崎は「5、6回に失点して、自分の気持ちが切れてしまった。どんな状況でも強い気持ちで投げなければいけなかった」と振り返った。
小林主将は「強豪に対して4回まではしっかりと戦えていたが、自分たちのミスで崩れてしまった。ただ、できることはやったので悔いはない。この敗戦を来春、夏へ生かしたい」と力を込めた。
福田博之監督は「最後は点差が離れたがしっかりと戦うことができた。選手たちを褒めてあげたい」と、この戦いを評価した。今回も関東の壁を破ることができなかったが意地はみせた。
石橋は、何度跳ね返されても、再び立ち上がる。