【東海大高輪台 野球部】「あの夏の続き」 #東海大高輪台

港区から目指す甲子園
縦縞のプライドを胸に

 縦縞のプライドを胸に港区から甲子園を目指す名門・東海大高輪台。2017年夏に東東京大会準優勝となったチームは、あのとき越えられなかった壁に挑む。

 

■野球に飢えた選手たち  

意欲あふれる選手たちを、程よい緊張感が包み込んでいく。

東海大高輪台の練習グラウンドは、常に心地良いムードが創り出されている。新3年生の代は、昨年春からコロナ禍の影響をもろに受けて、練習時間に大きな制限が生じている。

校舎は港区高輪だが、練習場は専用バスで40分ほど走ったさいたま市。練習時間の制限や移動が難しくなった影響で今年3月以降は、平日は学校のジムなどでトレーニング、休日は3時間限定でグラウンドに立っている。選手たちにとっては1回1回の練習が、春・夏への貴重な実戦の場。小笹敦史主将(新3年=三塁手)は「秋季大会敗戦の悔しさを糧に、1回のトレーニングを大切にしてきた」と話す。母校を率いて20年となる宮嶌孝一監督は「今年は特に、野球に飢えた選手たちのエネルギーを感じている」と、ノックに力を込める。

■2017年夏は東東京準優勝  

2017年夏に東東京準優勝となり甲子園に“あと一歩”と迫ったチームだが、 それ以降の3年間の各大会は結果を残すことができていない。だが、敗れた相手はいずれも甲子園出場実績のある東西東京強豪チームがほとんど。過去3大会は、2019年秋に東海大菅生、2020年夏に日大豊山、そして昨秋は日大鶴ヶ丘に屈した。そこを越えれば、頂点は見えてくる。

秋季大会は、1回戦で実力校・実践学園と対戦。東海大高輪台は初回に小笹主将の犠飛で先制すると、2回には宮田伝蔵(新2年=内野手)のタイムリーなどで2点を追加。ゲームの主導権を握ると、4回には下位から上位へとつないで一挙5点を奪って、ゲームを決定づけた。初戦快勝で勢いに乗ると思われたが、2回戦では日大鶴ヶ丘に7回まで6対3とリードしながらも、8回に大量失点して力尽きた。コロナ禍の実戦不足で、チームのゲーム体力が足りなかったと言える。チームは秋の課題を持ち帰り、冬トレに向かった。

■打線のつながりで勝負  

チームの特長は、上位から下位までの“つながり”だ。1番・金森太輝(新3年=外野手)、2番・宮田、攻守の要・武藤琢磨(新3年=内野手)、小笹主将と続く打線は、派手さはないがそれぞれが役割を理解しチームバッティングを実践できる。投手陣は、エース的野健太(新3年=投手)が冬に進化を遂げて130キロ後半の直球と、鋭く落ちる変化球を武器に相手打者に立ち向かう。さらにブルペンでは未完の大器・宮路空夢(新2年)がデビューを待つ。夏に向けてチームの伸びしろは大きい。エース的野は「ピンチでギアを上げられるようなピッチングをみせたい」と話す。  

コロナ禍で迎える今年の東東京は横一線の戦いが予想される。東海大高輪台は2017年夏に決勝まで駒を進めながら、甲子園目前にして進撃が止まった。あれから4年、今年のチームにはあの夏の続きを体現する力がある。

 

 

 

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