【富士市立】「堂々と」 #富士市立

Best8
富士市立「堂々と」

若いチームながら殊勲のベスト8 強豪相手に諦めない戦いで魅了

春は悔しさを味わった富士市立。今大会ではそれを払拭するような快進撃を見せた。(取材・栗山司)(2021年9月号掲載)

春からの巻き返し

春の地区大会初戦敗退からの快進撃だった。

1回戦、2回戦は2年生エース・渡邊洸汰朗が連続完封勝利。3回戦は渡邊が12安打を許しながらも1失点に抑えると、攻撃陣が計13安打で7得点を奪った。「春は相手が何もしていないのに勝手に自分たちが引いてしまい負けてしまった。そこを変えるべく、春以降は練習から果敢にプレーすることを心掛けてきました」(瀧絢斗主将・3年=外野手)

全員の心を一つにし、スキのない野球へ。技術だけでなく、精神面も逞しくなった富士市立は試合を重ねるごとに成長していった。

選抜出場校を撃破!

4回戦では、選抜出場校の三島南と激突。序盤に5点のリードを許す苦しい展開。それでも誰一人諦めなかった。6回に1点を返すと、7回に3番・瀧、4番・宇佐美皓平(3年=内野手)のタイムリーなどで一挙5点を奪って同点に追いつく。そして、9回は押し出し四球で3点を勝ち越した。投げては7回からマウンドに上がった渡邊が三島南打線を封じた。0対5からの大逆転勝利。瀧は「諦めない野球を体現できた試合だった」と話す。

後輩がスタイルを受け継ぐ

準々決勝では静岡と対戦した。疲労の影響で渡邊が登板できず、マウンドには秋と春にエースナンバーを背負った瀧が上がった。「最初から相手の雰囲気に飲まれてしまった」と瀧。初回と2回に得点を許すと、3回は失策が絡んで3失点。0対7でコールド負けを喫した。

レギュラー9人のうち、7人が2年生と若いチーム。戸栗和秀監督が「最後に弱さが出てしまったが、下級生が5試合を経験できたことは今後につながる」と収穫を口にすれば、瀧は「後輩たちは絶対に甲子園に行けると思っています。監督、コーチを信じて、富士市立らしい野球を体現してほしい」とエールを送る。

8年ぶりのベスト8進出。新チームは全身全霊のスタイルを継承し、新たな高みに挑戦する。

 

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